この記事では、映画「男はつらいよ」のオープニングで流れる寅さんの夢のシーンをすべてまとめてみました。
シリーズ全49作中、夢のシーンが含まれるのは全部で34作品。
人が眠っている時に見る夢というのは、その人自身が抱えている悩みや感情などを軸にして映像化されるものです。
寅さんが見る夢も、寅さん自身の悩みや感情を見事に映し出しているのではないでしょうか。
寅さんがオープニングで見る夢は、寅さんが何年も会っていない妹のさくらの前にこつ然と現れ、不幸に見舞われるさくらを救い出し、幸せへと導いていく流れがほとんどです。
これは、たった一人の妹さくらを置き去りにして、約20年間会わずに暮らしてきた寅次郎の後悔の念が夢となってあらわれているのだと思います。
その他、寅さんの肉体的問題や、今ある環境などが影響された夢も多いです。
寅さんの肉体的問題や、今ある環境などが影響された夢(第23作「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」の夢のシーン)
(第28作「男はつらいよ 寅次郎紙風船」の夢のシーン)
(第36作「男はつらいよ 柴又より愛をこめて」の夢のシーン)
そしてその他、当時流行っていた映画やドラマなどが夢のシーンに登場するものもあります。
映画やドラマなどが夢のシーンに登場するもの(ドラマ「枯し紋次郎」<1972年>)
(映画「ジョーズ」<1975年>)
(映画「未知との遭遇」<1977年>)
こういった映画作品が夢の中に登場してくるということは、寅さん自身が実際にこういった作品に触れ、何かしらの印象を脳裏に焼き付けられたということなのでしょう。
もしかしたら寅さんは、スピルバーグの映画が好きだったのかもしれません。
そして、夢に登場してくるのがすべて柴又で暮らす人たちになっているところが非常に面白いです。
どんなに現実離れした夢の世界に入り込もうと、柴又で暮らす人たちが寅さんの持つイメージによって自動的に配役を振り分けられて登場してきます。
タコ社長は悪い金貸し役に回ることが多く、きっと寅さんの中でそういうイメージを持っているということなのでしょう。
そして、時代劇風の夢も多く、その場合はさくらが「おさく」、博が「ひろ吉」という、固定した名前になっているのもまた面白いところ。
いかにも寅さんの単純な思考回路が作り出しそうな夢の設定ですね。
目次
- 1 映画「男はつらいよ」オープニングの夢のシーン一覧表
- 2 オープニングの夢のシーン全まとめ
- 2.1 第2作「続・男はつらいよ」の夢のシーン
- 2.2 第5作「男はつらいよ 望郷篇」の夢のシーン
- 2.3 第9作「男はつらいよ 柴又慕情」の夢のシーン
- 2.4 第10作「男はつらいよ 寅次郎夢枕」の夢のシーン
- 2.5 第11作「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」の夢のシーン
- 2.6 第12作「男はつらいよ 私の寅さん」の夢のシーン
- 2.7 第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」の夢のシーン
- 2.8 第14作「男はつらいよ 寅次郎子守唄」の夢のシーン
- 2.9 第15作「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」の夢のシーン
- 2.10 第16作「男はつらいよ 葛飾立志篇」の夢のシーン
- 2.11 第17作「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」の夢のシーン
- 2.12 第18作「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」の夢のシーン
- 2.13 第19作「男はつらいよ 寅次郎と殿様」の夢のシーン
- 2.14 第20作「男はつらいよ 寅次郎頑張れ!」の夢のシーン
- 2.15 第21作「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」の夢のシーン
- 2.16 第22作「男はつらいよ 噂の寅次郎」の夢のシーン
- 2.17 第23作「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」の夢のシーン
- 2.18 第24作「男はつらいよ 寅次郎春の夢」の夢のシーン
- 2.19 第25作「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」の夢のシーン
- 2.20 第26作「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌」の夢のシーン
- 2.21 第27作「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」の夢のシーン
- 2.22 第28作「男はつらいよ 寅次郎紙風船」の夢のシーン
- 2.23 第29作「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」の夢のシーン
- 2.24 第30作「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」の夢のシーン
- 2.25 第31作「男はつらいよ 旅と女と寅次郎」の夢のシーン
- 2.26 第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」の夢のシーン
- 2.27 第33作「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎」の夢のシーン
- 2.28 第34作「男はつらいよ 寅次郎真実一路」の夢のシーン
- 2.29 第35作「男はつらいよ 寅次郎恋愛塾」の夢のシーン
- 2.30 第36作「男はつらいよ 柴又より愛をこめて」の夢のシーン
- 2.31 第37作「男はつらいよ 幸福の青い鳥」の夢のシーン
- 2.32 第39作「男はつらいよ 寅次郎物語」の夢のシーン
- 2.33 第43作「男はつらいよ 寅次郎の休日」の夢のシーン
- 2.34 第45作「男はつらいよ 寅次郎の青春」の夢のシーン
- 3 映画「男はつらいよ」オープニングの夢のシーンまとめ
映画「男はつらいよ」オープニングの夢のシーン一覧表
第2作 | 寅次郎が、お菊と再会する夢 |
---|---|
第5作 | 寅次郎が、おいちゃんの最後を看取る夢 |
第9作 | 長楊枝を咥えた寅次郎が、借金取りに怯える若夫婦(博とさくら)を守る夢 |
第10作 | マカオの寅(寅次郎)が、女給(さくら)と書生(博)を助ける夢 |
第11作 | 旅ガラスの剣豪・寅次郎が、おさく(さくら)とひろ吉(博)から借金取りを追い払う夢 |
第12作 | 柴又の英雄・寅次郎が、大飢饉で飢え苦しむ柴又村の人たちを悪漢・だあ様から救う夢 |
第13作 | 花嫁を紹介しようと「とらや」に帰ってきた寅次郎が、おいちゃんとおばちゃんの墓で泣き崩れる夢 |
第14作 | 産土(うぶすな)の神様(寅次郎)が、子宝のない若夫婦(博とさくら)に子供を授ける夢 |
第15作 | 海賊タイガー(寅次郎)が、葛飾島の人たちを乗せた奴隷船を救う夢 |
第16作 | 懸賞金付きタイガーキッド(寅次郎)が、テキサスのサロンで悪徳商人・だあ様(坂東鶴八郎)と早撃ちで決闘する夢 |
第17作 | 車船長(寅次郎)が、人食いザメと格闘する夢 |
第18作 | アラビアのトランスと呼ばれる男(寅次郎)が、北アフリカの港町でさくらと出会う夢 |
第19作 | 鞍馬天狗に扮する寅次郎が、山岳党の仕掛けたワナにはめられて決闘する夢 |
第20作 | 眠りから覚めた寅次郎が、突然大金持ちに変貌した「とらや」一家を目の当たりにして驚く夢 |
第21作 | 第3惑星から故人・寅次郎の身代わりになっていた宇宙人(寅次郎)が、UFOに乗って第3惑星へ帰っていく夢 |
第22作 | 寅地蔵尊の幻影と化した坊主(寅次郎)が、おさく(さくら)の願いを聞き入れ、柴又村の幸せと平和をもたらす夢 |
第23作 | 柴又医学研究所で研究に没頭する車寅次郎博士(寅次郎)が、便秘薬の理論を解明した夢 |
第24作 | サンフランシスコのお尋ね者・車寅次郎(寅次郎)が、妹のさくらと偶然再会し日本に帰っていく夢 |
第25作 | 鼠小僧寅吉(寅次郎)が、妹のおさく(さくら)の家に忍び込み、偶然再会を果たす夢 |
第26作 | 大飢饉に見舞われた柴又村を通りかかった旅人(寅次郎)が、天狗の祟りを祓うために「娘を差し出せ!」と申し出る悪代官を成敗する夢 |
第27作 | 浦島寅次郎(寅次郎)が、助けた亀に連れられて竜宮城に行く夢 |
第28作 | ノーベル医学賞を受賞した車寅次郎博士(寅次郎)が、学生時代の恋人と遭遇し、その子供を救うために手術を決行する夢 |
第29作 | 宿に困った旅人(寅次郎)が、貧しい家族の家に泊めてもらい、そのお礼として襖に絵を描いて恩返しをする夢 |
第30作 | ブリックリンの寅(寅次郎)が、すけこましのジュリー(沢田研二)を追い払い、ブルックリンに平和をもたらす夢 |
第31作 | 一揆の首謀者・寅吉(寅次郎)が、久しぶりに実家に戻り、おさく(さくら)の亭主で岡っ引のひろ吉(博)にお縄をかけられる夢 |
第32作 | 故郷の「とらや」をなつかしむ寅次郎が、偽物の寅次郎(レオナルド熊)に見合い相手を奪われてしまう夢 |
第33作 | 肉親たちを失った寅次郎が、その復讐を果たすべく、ボス(渡瀬恒彦)のいるバーで大乱闘を繰り広げる夢 |
第34作 | 筑波山で隠居している車寅次郎博士(寅次郎)が、日本で暴れまわる怪獣ギララを始末する夢 |
第35作 | 寅吉(寅次郎)が、おじい(おいちゃん)とおばあ(おばちゃん)を姥捨山に連れていこうとする夢 |
第36作 | 宇宙飛行士のカッコがしたかっただけの寅次郎が、なぜか日本人初の宇宙飛行士に選ばれてロケットに乗ってしまう夢 |
第37作 | 幸せの青い鳥を捕まえに旅立った寅次郎たちが、青い鳥を捕まえて幸せになる夢 |
第39作 | 少年時代の寅次郎が、親父とケンカをして家を飛び出した夢 |
第43作 | 寅麻呂(寅次郎)が、道に迷った桜式部(さくら)を招き入れ、それが実の妹さくらであることを知る夢 |
第45作 | 文武両道に秀でた文学博士・車寅次郎(寅次郎)が、甥の満男とその恋人(泉)をかくまい、追手を追い払う夢 |
オープニングの夢のシーン全まとめ
第2作「続・男はつらいよ」の夢のシーン
寅次郎が、38年ぶりに実の母親・お菊と再会する夢。
よく見ると、お菊がこの作品に登場してくるお澄さん(お菊の店で働いていて、寅さんがお菊と間違えた人)になっている。
この夢を見ている時点ではまだ会っていないはずなので、予知夢を見ていることになる。
第5作「男はつらいよ 望郷篇」の夢のシーン
寅次郎が、おいちゃんの最後を看取る夢。
いかにも夢の世界であるかのように、何重もの襖をを超えた先においちゃんたちがいる。
第9作「男はつらいよ 柴又慕情」の夢のシーン
長楊枝を咥えた寅次郎が、悪徳金貸しに怯える若夫婦(博とさくら)を守る夢。
パロディ元は、当時人気のあったドラマ「枯し紋次郎」。
寅さんが何年も会っていない妹のさくらの前にこつ然と現れ、不幸に見舞われるさくらを救い出し、幸せへと導いていく、記念すべき最初の夢。
第10作「男はつらいよ 寅次郎夢枕」の夢のシーン
マカオの寅(寅次郎)が、女給(さくら)と書生(博)を助ける夢。
時代が少しさかのぼって、昭和初期という設定。
映像をセピア色にし、当時の雰囲気をうまく演出している。
第11作「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」の夢のシーン
旅ガラスの剣豪・寅次郎が、おさく(さくら)とひろ吉(博)から借金取りを追い払う夢。
時代劇風な夢。
おさく(さくら)とひろ吉(博)という設定が初めてできあがった夢でもある。
第12作「男はつらいよ 私の寅さん」の夢のシーン
柴又の英雄・寅次郎が、大飢饉で飢え苦しむ柴又村の人たちを悪漢・だあ様から救う夢。
ここからしばらく、坂東鶴八郎、タコ社長、源公の悪役3人組が定着してくる。
第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」の夢のシーン
花嫁を紹介しようと「とらや」に帰ってきた寅次郎が、おいちゃんとおばちゃんの墓で泣き崩れる夢。
第5作の夢のシーン以来の、リアルな夢。
登場人物は、すべてそのままの役で登場。
なぜか、とらやの入口手前が石段となっており、とらやの居間の襖を開けると、そこはもうおいちゃんとおばちゃんの墓がある庭につながっている。
第14作「男はつらいよ 寅次郎子守唄」の夢のシーン
産土(うぶすな)の神様(寅次郎)が、子宝のない若夫婦(博とさくら)に子供を授ける夢。
このあと、捨てられた子供の面倒を見ることになる寅次郎。
ここで子供に関する夢を見るのは、またしても未来を予言しているかのようだ。
第15作「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」の夢のシーン
海賊タイガー(寅次郎)が、奴隷として捕らえられた葛飾島の人たちを救う夢。
映画館で眠ってしまって見た夢のため、終わり方が映画風になっている。
10作に登場した岡倉金之助(米倉斉加年)と、14作に登場した大川弥太郎(上條恒彦)が海賊役で登場している。
洋風にしたかったのか?さくらの名前がチェリーとなっている。
第16作「男はつらいよ 葛飾立志篇」の夢のシーン
懸賞金付きタイガーキッド(寅次郎)が、テキサスのサロンで悪徳商人・だあ様(坂東鶴八郎)と早撃ちで決闘する夢。
さくらが再びチェリー役で登場し、美しい歌声で名曲「さくらのバラード」を歌う。
10作に登場した岡倉金之助(米倉斉加年)と、14作に登場した大川弥太郎(上條恒彦)が再び登場する。
第17作「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」の夢のシーン
車船長(寅次郎)が、人食いザメと格闘する夢。
パロディ元は、スピルバーグ監督の映画「ジョーズ(1975年)」。
人食いザメに下半身(しもはんしん)を食いちぎられた源公をリアルに表現。
第18作「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」の夢のシーン
アラビアのトランスと呼ばれる男(寅次郎)が、北アフリカの港町でさくらと出会う夢。
セリフをフランス語にし、日本語字幕を示させて、少し文学的なフランス映画風な作りに。
第19作「男はつらいよ 寅次郎と殿様」の夢のシーン
鞍馬天狗に扮する寅次郎が、山岳党の仕掛けたワナにはめられて決闘するハメになる夢。
パロディ元は、映画「鞍馬天狗 角兵衛獅子」。
鞍馬天狗がモモヒキを履いていることに気付くさくらと、その理由を聞かれて「ちょっと風邪引いてんだよ」という寅次郎とのやり取りがいい。
夢と現実の境界線がわからなくなるような面白い夢。
第20作「男はつらいよ 寅次郎頑張れ!」の夢のシーン
眠りから覚めた寅次郎が、突然大金持ちになっている「とらや」一家を目の当たりにして驚く夢。
これもとらやの人たちがそのままの役で登場するリアリティある夢。
寅次郎は常に心の中で「とらやがいつかなくなってしまうんじゃないだろうか」という不安に襲われながら旅を続けているのかもしれない。
第21作「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」の夢のシーン
第3惑星から故人・寅次郎の身代わりになっていた宇宙人(寅次郎)が、UFOに乗って第3惑星へ帰っていく夢。
パロディ元は、スピルバーグ監督の映画「未知との遭遇(1977年)」。
博「なんだかチャチいなあ。あれで飛んでいけるんですかねえ?」
タコ社長「予算がねえんだろ。アメリカ映画みたいにはいかねえよ」
という、博とタコ社長の設定を無視した会話のやり取りが非常にウケる。
第3惑星から来たUFOの中に、なぜか猿の惑星に出てくるような生命体が乗っているのも面白い。これは「惑星」つながりだろうか・・・・。
第22作「男はつらいよ 噂の寅次郎」の夢のシーン
寅地蔵尊の幻影と化した坊主(寅次郎)が、おさく(さくら)の願いを聞き入れ、柴又村の幸せと平和をもたらす夢。
寅地蔵が、優しいおさく(さくら)に恩返しをする夢。
第23作「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」の夢のシーン
柴又医学研究所で研究に没頭する車寅次郎博士(寅次郎)が、便秘薬の理論を解明する夢。
とらやが研究所になっており、2階が研究室になっている。
相当便秘が酷かったのか、最後には夢の中で便秘薬をもらう手ぶりをしている。
第24作「男はつらいよ 寅次郎春の夢」の夢のシーン
サンフランシスコのお尋ね者・車寅次郎(寅次郎)が、妹のさくらと偶然再会し日本に帰っていく夢。
寅次郎を捕まえに来るFBI捜査官がマイコーになっている。
マイコーはこの後に登場してくることになるので、これも予知夢。
第25作「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」の夢のシーン
鼠小僧寅吉(寅次郎)が、妹のおさく(さくら)の家に忍び込み、偶然再会を果たす夢。
拍子木、三味線などの効果音を交えながら、少しコントチックな雰囲気が漂っている。
第26作「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌」の夢のシーン
大飢饉に見舞われた柴又村を通りかかった旅人(寅次郎)が、天狗の祟りを祓うために「娘を差し出せ!」と申し出る悪代官を成敗する夢。
定番の坂東鶴八郎、タコ社長、源公の悪役3人組がまた登場。
第27作「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」の夢のシーン
浦島寅次郎(寅次郎)が、助けた亀に連れられて竜宮城に行く夢。
パロディ元:伽話「浦島太郎」。
竜宮城の中にピンク色のタコの姿をしたタコ社長が紛れ込んでいる。
乙姫様役に、この回のマドンナとなる浜田ふみ(松坂慶子)が登場しているが、これも予知夢ということになる。
玉手箱の煙を吸って年老いるのは、浦島寅次郎ではなく、助けられた亀吉がなってしまうというオチに。
第28作「男はつらいよ 寅次郎紙風船」の夢のシーン
ノーベル医学賞を受賞した車寅次郎博士(寅次郎)が、学生時代の恋人と遭遇し、その子供を救うために手術を決行する夢。
かつての恋人がなぜか今作に登場するマドンナ・光枝(音無美紀子)になっている。
これもまだ会っていない女性が夢の中に登場している。
第29作「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」の夢のシーン
宿に困った旅人(寅次郎)が、貧しい家族の家に泊めてもらい、そのお礼として襖に絵を描いて恩返しをする夢。
「グウ・・・」とお腹の音を確認するために、わざわざご飯の入った茶碗を3人の家族の鼻先に近づける寅次郎が笑ってしまう。
第30作「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」の夢のシーン
ブリックリンの寅(寅次郎)が、すけこましのジュリー(沢田研二)を追い払い、ブルックリンに平和をもたらすミュージカル風の夢。
最初はブリックリンの寅として登場するが、ジュリーを追い払った後はなぜか柴又の労働者風(?)の服装の寅次郎に変わってしまう。
いかにも夢の中の出来事という感じで、矛盾した世界が描かれている。
ちなみに、御前様が夢の中で登場したのは、これが最初で最後。
第31作「男はつらいよ 旅と女と寅次郎」の夢のシーン
一揆の首謀者・寅吉(寅次郎)が、久しぶりに実家に戻り、おさく(さくら)の亭主で岡っ引のひろ吉(博)にお縄をかけられる夢。
完全な舞台劇となっている。
第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」の夢のシーン
故郷の「とらや」をなつかしむ寅次郎が、偽物の寅次郎(レオナルド熊)に見合い相手を奪われてしまう夢。
「とらや」にいるはずの寅次郎だが、「とらや」の人たちにはその姿が見えていないという設定で展開される。
偽物の寅次郎は、この時寅次郎が乗っていた電車の中にいた子連れの親方風の男。
眠りにつく前に、寅次郎はこの親方風の男を目にし、どこか「自分と同じ匂いのする男だ」とでも思っていたのかもしれない。
第33作「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎」の夢のシーン
肉親たちを失った寅次郎が、その復讐を果たすべく、ボス(渡瀬恒彦)のいるバーで大乱闘を繰り広げる夢。
復讐の鬼と化した寅次郎が、華麗な身のこなしで次々とボスの手下を倒していきます。(←激しい乱闘シーンの時だけスタントマンを使っている)
この夢でも、まだ会っていない風子とトニーが登場してくる。
第34作「男はつらいよ 寅次郎真実一路」の夢のシーン
筑波山で隠居している車寅次郎博士(寅次郎)が、日本で暴れまわる怪獣ギララを始末する夢。
パロディ元は、1967年に公開された松竹の映画「宇宙大怪獣ギララ」。
タコ社長が内閣総理大臣、源公が官房長官という、ありえない配役が面白い。
当時、三菱・ミラージュのテレビCMに登場したのがきっかけで大ブレイクした「エリマキトカゲ」というキーワードも登場する。
第35作「男はつらいよ 寅次郎恋愛塾」の夢のシーン
寅吉(寅次郎)が、おじい(おいちゃん)とおばあ(おばちゃん)を姥捨山(うばすてやま)に連れていこうとする夢。
おばちゃんが重くて持ち上げられなくなってしまうというオチで目が覚める。
第36作「男はつらいよ 柴又より愛をこめて」の夢のシーン
宇宙飛行士のカッコがしたかっただけの寅次郎が、なぜか日本人初の宇宙飛行士に選ばれてロケットに乗ってしまう夢。
「最も日本人らしい日本人」という理由で、寅さんは日本人宇宙飛行士に選ばれてしまう。
トイレに行けずにロケットに乗せられてしまうのは、眠っている間にオシッコがしたくなっているのが原因。
第37作「男はつらいよ 幸福の青い鳥」の夢のシーン
幸せの青い鳥を捕まえに旅立った寅次郎たちが、青い鳥を捕まえて幸せになる夢。
寅さんの中で青い鳥のイメージが湧かなかったのだろうか?捕まえた青い鳥がセキセイインコになっている。
眠っている最中に車掌さんに話しかけられたため、夢の中で車掌さん(イッセー尾形)が登場してくる。
第39作「男はつらいよ 寅次郎物語」の夢のシーン
少年時代の寅次郎が、親父とケンカをして家を飛び出した時の夢。
過去に体験した出来事を思い出すような形で描かれる。
なんと、その中でシリーズ中に一度も登場することがなかった、寅次郎の育ての母親(さくらの実の母)が映像を通して登場する。
寅さんとさくらの別れのシーンは、やや抽象的なイメージで描かれている。
実際には、柴又駅まで付いてきたさくらが、餞別として寅さんにおはじきを渡したということになっている。
第43作「男はつらいよ 寅次郎の休日」の夢のシーン
寅麻呂(寅次郎)が、道に迷った桜式部(さくら)を招き入れ、それが実の妹さくらであることを知る夢。
原点に立ち戻ったかのように、何年も会っていない妹のさくらと再会する設定の夢を久しぶりに見る。
「名月や池をめぐりて夜もすがら」とは、松尾芭蕉が名月を詠んだ名句である。
第45作「男はつらいよ 寅次郎の青春」の夢のシーン
文武両道に秀でた文学博士・車寅次郎(寅次郎)が、甥の満男とその恋人(泉)をかくまい、追手を追い払う夢。
活動写真風(無声映画)になっており、音声はすべて弁士が語る形になっている。
寅次郎が翻訳しているのは、シェイクスピアの「ハムレット」ではなく、シェイキスピヤの「ハムレット」である。
映画「男はつらいよ」オープニングの夢のシーンまとめ
今回は、映画「男はつらいよ」のオープニングで流れる寅さんの夢のシーンをすべてまとめてみました。
シリーズ全49作中、夢のシーンが含まれるのは全部で34作品あり、この夢のシーンをみるだけでも結構楽しめます。