この記事では、山田洋次監督の映画「男はつらいよ」に登場する主人公・車寅次郎の妹「さくら(諏訪さくら)」の人物紹介をしていこうと思います。
”さくら”は、寅次郎のたった一人の妹役として、シリーズ1作目から48作目までのすべての映画作品に登場しました。
寅次郎にとっての本当のマドンナは”さくら”だったのではないかと思えるほどの存在でした。
今回は、映画の中だけの”さくら”ではなく、映画に登場する以前の”さくら”の生い立ちについてもまとめてみました。
<参考文献>
映画として始まる以前の車家の様子が事細かく記されている貴重な一冊。
目次
諏訪さくらのプロフィール
- 名前:諏訪櫻(旧姓:車櫻)
- 生年月日:不明(1941年?1942年?)
- 職業:専業主婦&とらやの手伝い
諏訪さくらの名前
第1作で博と結婚するまでは”車櫻”、その後に博と結婚してからは”諏訪櫻”に名前が変わります。
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諏訪博(ひろし)のプロフィールと略歴-男はつらいよシリーズの登場人物紹介
名前が「さくら」ではなく「櫻」という漢字になっていることがわかるのが、第1作の”さくら”見合いの席でのシーンです。
見合い相手の父親に、「珍しいお名前ですな。お父さんのご趣味ですか?」という問いに、さくら本人が「はい。でも戸籍では漢字なんです。」と返答しています。
諏訪さくらの生年月日
小説「悪童(ワルガキ) 寅次郎の告白」では、寅次郎が小学校に上がる前に”さくら”が生まれたとされています。
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車寅次郎(寅さん)のプロフィールと生い立ち-男はつらいよシリーズの登場人物紹介
なので、寅次郎とは、5つか6つくらいの年齢差があることがわかります。
ただ、映画の中では寅次郎とさくらの年齢差は7つか8つくらいだというセリフがあったりもします。(⇒第33作「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎」で寅次郎と風子が飲むシーン)
かなり食い違いがありますが、小説に書かれている感じだと寅次郎の生年月日は1936年2月26日(昭和11年2月26日)なので、”さくら”の生まれた年は、1941年か?1942年生まれになると考えられます。
”さくら”の正確な誕生日や年齢に関しては、映画の中、または小説の中でも全く語られていないため不明です。
ちなみに、寅次郎は15歳の時に家を飛び出しているので、その時の”さくら”の年齢は、9歳か、10歳くらいだったと推測できます。
諏訪さくらの職業
第1作目で博と結婚する前までは、社員1,200名が働く一流企業「オリエンタル電気」のキーパンチャー(データ入力オペレーター)として働いていましたが、博と結婚することを気に、その会社を寿退社します。
そのあとは、生まれた満男の子育てをしながら、内職をしたり、とらやの店の手伝いをしたりと、いわゆる専業主婦となっていきます。
諏訪さくらと車家の家系図
画像元:https://www.tora-san.jp/cast/
”さくら”は、父・車平造と母・車光子の長女として生を受けます。
”さくら”の兄弟は、秀才の兄・昭一郎と、15歳で家を飛び出した寅次郎、そして自分を含めた3人です。
その中で、寅次郎だけが異母兄妹に当たります。
”さくら”が3つか4つの頃に兄の昭一郎が亡くなっており、7つか8つの頃に母親の光子が病で他界しています。
第1作では、そんな車家全員の貴重な家族写真が映し出されるシーンもあります。
そして、小説「悪童(ワルガキ) 寅次郎の告白」では、”さくら”の母親が病で他界した後に、今のおいちゃん、おばちゃんが”とらや”に移り住むようになり、”さくら”と寅次郎の面倒をみたとされています。
”さくら”と寅次郎の父親・平造については、寅次郎が家出をする15歳の時までは”とらや”にいたことになっています(父親とのケンカが原因で寅次郎が家出)が、その後すぐに他界したと思われます。
よって、寅次郎が家出をした後に、1人とらやに残されてしまった”さくら(9歳か10歳)”が、おいちゃん、おばちゃんに育てられたことになります。
ちなみに、第11作「寅次郎忘れな草」の時に、平造の27回忌の法要が行われるシーンがあります。
諏訪さくらの性格や人柄
”さくら”は、気立てがよく、困っている人を見かけると、すぐに手を差し伸べるような、そんな優しい性格の持ち主です。
それは、男はつらいよシリーズの全作を観れば、誰でも納得のいくことでしょう。
それは、幼いころから”さくら”の周りにいた人間がすでにそれを見ています。
例えば、第1作目で”さくら”の結婚式のスピーチでの時に、御前様は以下のようなことを言っていました。
おそらく”さくら”は、道楽者の父親・平造よりも、面倒見のいい母親・光子の血をたくさん受け継いだのでしょう。
そして、旅先で何か問題を起こした寅次郎のために、北海道から九州のどこへでも足を運んでくれるような優しい妹でもありました。
寅次郎のために一人はるばる出向いた場所当時は、ATMで送金したりできるような世の中ではなかったでしょうから、お金を送るにも自分が持っていくしかなかったため、とても大変なことだったと思います。
自分の電車賃もバカにならなかったでしょうね。
それでも寅次郎の元へ駆けつけてくれる”さくら”の優しさと愛情は、兄妹以上のものを感じずにはいられません。
諏訪さくらの略歴
”さくら”は小さい時から勉強ができ、おまけに美人で男の子にモテる女の子だったようです。
それは、第21作「寅次郎わが道をゆく」で登場した同級生・紅奈々子(木の実ナナ)が語っていたエピソードからも垣間見れます。
そして、”さくら”の小さい時の夢は、声楽家だったようです。
第12作「私の寅さん」では、画家の”りつ子(岸惠子)”にこんなことを語っていました。
”さくら”の少女時代は、文科系のお嬢様タイプだったようです。
それでは、”さくら”の略歴を簡単にまとめてみたいと思います。
映画の中で、”さくら”の年齢が一切出てこないので、寅次郎の6つ下の年齢であることを基準にし、そこからおおよその年齢で書いてみました。
0歳 | ・車平造と光子との間の長女として生を受ける。寅次郎が小学校に上がる前に生まれたとされる。 (ネタ元:小説「悪童(ワルガキ) 寅次郎の告白」) |
---|---|
7歳(?) | 母・光子が他界し、寅次郎と一緒においちゃんとおばちゃん、実の父親・平造に育てられるようになる。 |
9歳(?) | ・寅次郎が家出をした時に柴又駅に見送りに行き、餞別と言って寅次郎に”おはじき”を渡したというエピソード。 ・兄弟が誰もいなくなり、”さくら”が一人とらやに残される。 (ネタ元:第6作「男はつらいよ 純情篇」、小説「悪童(ワルガキ) 寅次郎の告白」) |
29歳(?) | ・寅次郎に20年ぶりに再会する。 ・タコ社長の印刷工場で働いていた博と結婚する。 (ネタ元:第1作「男はつらいよ」) |
30歳(?) | ・満男を出産する。 (ネタ元:第1作「男はつらいよ」) |
34歳(?) | ・寅次郎が書いた不吉な手紙を受け取り、ひとりで青森県津軽(花子の学校)へ行く (ネタ元:第7作「男はつらいよ 奮闘篇」) |
36歳(?) | ・北海道の牧場で働いていた寅次郎が病気になり、ひとりで北海道網走(栗原さん宅)へ行く (ネタ元:第11作「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」) |
37歳(?) | ・寅次郎に結婚相手を紹介されて、タコ社長とともに島根県(絹代さん宅)へ行く (ネタ元:第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」) |
39歳(?) | ・坂東鶴八郎一座に振舞った飲食代を支払うために、ひとりで長野県信州(別所警察署)へ行く (ネタ元:第18作「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」) |
41歳(?) | ・田の原温泉に滞在中に宿銭がなくなった寅次郎にお金を渡すために、ひとりで熊本県阿蘇へ(田の原温泉)へ行く (ネタ元:第21作「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」) |
43歳(?) | ・2階建ての一軒家を購入し、博、満男の3人でそこに住むようになる。 (ネタ元:第26作「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌」) 関連リンク 「男はつらいよでマイホームを持った後のさくらの一件家が3回変わる現象」 |
44歳(?) | ・スクーターを購入し、とらやと自宅間をスクーターで行き来するようになる。 (ネタ元:第27作「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」) |
さくらのテーマ曲「さくらのバラード」
映画の中で使われることはありませんでしたが、さくらには「さくらのバラード」という兄を想うテーマ曲が存在しています。
実はこの曲は、第16作「男はつらいよ 葛飾立志篇」の夢のシーンで、さくら自身が歌詞を変えて(テキサスバージョン)歌っています。
オリジナルバージョンはこちらです。
↓↓↓
「さくらのバラード」が収録されているCDは下記になります。
男はつらいよシリーズの登場人物紹介-諏訪さくらのプロフィールと略歴まとめ
今回は、映画「男はつらいよ」に登場する主人公・車寅次郎の妹「さくら(諏訪さくら)」の人物紹介をしてみました。
諏訪さくらを演じた倍賞千恵子のプロフィール■主な映画作品
「下町の太陽」
「男はつらいよ」<シリーズ全48作>
「幸福の黄色いハンカチ」
「遙かなる山の呼び声」
「駅 STATION」