この記事では、映画「男はつらいよ」に登場するタコ社長のプロフィールと略歴などを紹介していきます。
タコ社長とは、とらやの裏にある「朝日印刷」という小さな印刷会社を経営する社長で、とらや一家とは昔から長い付き合いがあり、「とらや」の茶の間へ頻繁に出入りしてはバカ話をしているような人物です。
そして、毎回寅さんを逆なでするような発言から、ケンカへと発展させてしまうトラブルメーカーでもありました。
今回は、映画「男はつらいよ」に登場するタコ社長という人物について、より深く掘り下げて紹介していこうと思います。
目次
タコ社長のプロフィール
タコ社長の名前
タコ社長の名前(本名)は、桂梅太郎(かつらうめたろう)です。
しかし、映画の中でこの名前が呼ばれることはほとんどなく、寅さんが付けたあだ名「タコ」、もしくは”とらや”の人たちからは「社長」という名で呼ばれることがほとんどです。
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桂梅太郎という名前は、脚本や関連書籍などに記された名前であり、実際にこの名前が作品の中に出てくることはありません。
ただし、第6作「男はつらいよ 純情篇」で、博が独立する騒動の時には、なぜか「堤梅太郎」と自らで名乗り、寅さんに仲裁役をお願いするシーンが出てきます。
おそらく初期の頃によくある設定ミスだったと考えられますが、その後のタコ社長の名前は桂梅太郎という名で統一されていきます。
タコ社長の生年月日
タコ社長の生年月日、年齢がわかるようなシーンは一切出てきませんでしたが、1つだけヒントになるような発言をするシーンが作品の中で出てきます。
それは、第47作「男はつらいよ 拝啓車寅次郎様」で、博の自宅で新年のあいさつをするタコ社長が発したセリフです。
タコ社長が奥さんと二人で朝日印刷会社を任されたのが昭和21年だったようです。(タコ社長は印刷工から社長に昇りつめた人物)
仮に、タコ社長が20歳の時だったとしても、昭和元年生まれということになり、寅さんとちょうど10歳違い(寅さんは昭和11年生まれ)となります。
まあ、そのくらいの年齢が妥当なのかもしれません。
しかし、憶測の話でしかなく、タコ社長の詳細な年齢や生年月日についてはわからないままです。
タコ社長の職業
朝日印刷会社の経営者兼営業担当。
第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」で、博に「社長の営業のやり方は、古いお得意さんにしがみついてばかりで、赤字とわかってる仕事ばかり取ってくる」とぼやいているところからも、自らで会社を経営しながら営業もこなしていたのがわかります。
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もともとは、朝日印刷会社の印刷工からスタートし、下積み時代を経て社長に昇りつめたたたきあげ。
従業員は、博を含めて4、5人程度で、第31作目になってやっと事務員さん(ゆかり)を雇い入れています。
タコ社長は、自らを「中小企業の経営者」と名乗ることが多く、毎回資金繰りに苦しんでいる様子がセリフなどから伝わってきます。
毎回税務署に行ったり、電話がかかってきたりしていたのは、税理士を雇わずに自らでずさんな税金の管理をして、税務署から目を付けられていたからなのでしょう。
しかも、博に辞められると工場の経営が成り立たなくなるらしく、経営手腕はイマイチといった感じ。
そんなタコ社長が経営していた「朝日印刷」の歴史を簡単に見ていきましょう。
タコ社長が経営する「朝日印刷会社」での主な出来事
昭和21年 | ・妻と二人で共栄印刷KK(のちの朝日印刷)設立 |
---|---|
昭和41年 | ・博が働き始める |
昭和45年 | ・朝日印刷に社名が変わる(第5作~) ・日照権の問題で寅とモメる(第5作) |
昭和46年 | ・博の独立騒動が起きる(第6作) |
昭和49年 | ・博が制服の袖を機会に巻き込んでケガをする(第14作) |
昭和52年 | ・税務署で押し売りに間違えられた寅の話をして税金をまけてもらう(第20作) |
昭和55年 | ・税金をごまかして申告し、税務署から追徴金を求められる(第25作) |
昭和58年 | ・女性事務員(ゆかり)を雇う(第31作) ・博の父親の遺産でオフセット印刷機を導入し、自動化が進む(第32作) |
昭和60年 | ・オフセット印刷機の導入により、余剰人員が出るようになる(第35作) |
昭和63年 | ・地上げ屋に会社の立ち退きを迫られるのを恐れ、「この土地は絶対に売りません」の大看板を掲げて対抗(第40作) |
平成4年 | ・賃金の安い外国人労働者を雇い始める(第45作) |
タコ社長の家族構成
タコ社長は6人家族。妻と子供は4人(2男2女)。
タコ社長は、お見合い結婚をして4人の子供をもうけています。
そんなタコ社長のお見合い結婚には強烈すぎるエピソードがあります。
それは、第23作「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」で、ひとみ(桃井かおり)がおいちゃんのお見合い話を聞き出したことをきっかけに、タコ社長が自らのお見合い体験談を赤裸々に語り出すシーンです。
寅「社長よ、だけどお前よく逃げ出さなかったじゃねえかよ」
タコ社長「そりゃ思ったさ、だけどしょうがないじゃないか、仲人に借金があったんだから」
すごいエピソートですね。
いくら借金があったとはいえ、お見合い相手とは違う相手を紹介されて結婚してしまうタコ社長の決断力には脱帽です。
昭和初期という時代がそうさせたのか、今では考えられないような結婚への踏み切り方です。
ちなみに、タコ社長の奥さんがシリーズ中に姿を見せたのは、第1作目のさくらと博の結婚式の仲人の時が初めてで、そのあとに第2作「続・男はつらいよ」、第6作「男はつらいよ 純情篇」、第33作「男はつらいよ夜霧にむせぶ寅次郎」の4回でした。
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あとは、第19作「男はつらいよ 寅次郎と殿様」で、「早くお風呂に入ってよ~片付かなくて困っちゃうんだよ~」というセリフだけの時もありました。
タコ社長の娘・あけみのみが登場する
そして、タコ社長の長女・あけみ(美保純)は、第33作「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎」から登場するようになります。
この時はめでたい結婚の時で、その後、別居、行方不明といったトラブルを巻き起こし、父親であるタコ社長を困らせます。
他の子ども3人はすでに家を出てしまったのか、その後シリーズを通して作品に登場してくるのは、この長女のあけみだけでした。
タコ社長の性格や人柄
簡単に言えば、お人好しでお調子者。
あまり人見知りすることはなく、とらやに訪問してきたマドンナや客人に会うと、自ら進んで挨拶をする、明朗快活な性格。
客人がビジネスマンとわかれば、きちんと名刺を差し出す律儀さも持っています。
若い頃はよく遊んでいたらしく、ダンスホールで踊ったり、女道楽で奥さんを泣かせたりといったエピソードも作品の中で出てきます。
しかし、ただ遊び呆けてばかりいたわけではなく、一時期は弁護士を目指して夜学に通っていたという勤勉ぶりも本人の口から語られています。
タコ社長は、暗く沈んでいる時にとらやの茶の間を一瞬で明るい雰囲気に変えてしまうムードメーカー的な存在でもあります。
ただ、その場の空気を読めないところがあり、寅さんだけでなく、とらや一家にひんしゅくを買うこともしばしば。
しかし、どこか憎めない人柄といった感じです。
タコ社長の略歴
タコ社長のセリフや行動から、シリーズ中でタコ社長の周りで起きた出来事を簡単にまとめてみます。
昭和21年 | ・妻と二人で共栄印刷KK(のちの朝日印刷)設立 |
---|---|
昭和41年 | ・新宿でグレていた博を拾って共栄印刷で働かせる |
昭和44年 | ・博とさくらの結婚式の仲人を務める(第1作) |
昭和45年 | ・日照権の問題で寅とモメる(第5作) ・働きたがる寅を1日だけ朝日印刷で働かせる(第5作) |
昭和46年 | ・博の独立騒動が起きる(第6作) |
昭和47年 | ・寅の結婚相手を探すために柴又中を駆けずり回る(第10作) |
昭和48年 | ・九州旅行に出かけたとらや一家の留守番を頼まれた寅に付き添う(第12作) |
昭和49年 | ・結婚相手を紹介したいと言ってきた寅のために島根県までさくらと一緒に付き添って行く。その後フラれた寅のヤケ酒に夜通し付き合う(第13作) |
昭和51年 | ・サギにあった”ぼたん(太地喜和子)”の200万円を返済してもらうように寅に頼まれて、鬼頭に直接会って交渉しに行く(第17作) |
昭和53年 | ・タコ社長失踪事件が起きる(第22作) |
昭和56年 | ・タコ社長自殺騒動が起きる(第27作) |
昭和59年 | ・娘のあけみが結婚する(第33作) |
昭和60年 | ・娘のあけみが行方不明になる(第36作) |
タコ社長のプロフィールと略歴のまとめ
この記事では、映画「男はつらいよ」に登場するタコ社長について紹介してみました。
タコ社長を演じた太宰久雄のプロフィール■主な映画作品
『男はつらいよ』
『幸福の黄色いハンカチ』
『俺たちの交響楽』