・次の作品「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇(第49作)」
この記事では、寅さん映画シリーズの「男はつらいよ 寅次郎紅の花(第48作)」の作品の見どころを解説していきたいと思います。
目次
映画「男はつらいよ 寅次郎紅の花(第48作)」の予告編動画
映画「男はつらいよ 寅次郎紅の花(第48作)」の作品データ
公開日 | 1995年12月23日 |
上映時間 | 107分 |
マドンナ | 浅丘ルリ子/後藤久美子 |
ゲスト | - |
監督 | 山田洋次 |
原作 | 山田洋次 |
スタッフ | 製作:中川滋弘 プロデューサー:深澤宏 脚本:山田洋次/朝間義隆 企画:小林俊一 撮影:高羽哲夫/長沼六男 音楽:山本直純/山本純ノ介 美術:出川三男 照明:野田正博 編集:石井巌 監督助手:阿部勉 録音:鈴木功 調音:松本隆司 スチール:金田正 進行:副田稔 製作担当:峰順一 装置:森篤信 装飾:露木幸次 美粧:宮沢兼子 衣装:本間邦人(松竹衣装) 現像:東京現像所 撮影助手:池谷秀行 録音助手:原田真一 照明助手:青本隆司 編集助手:後藤彦治 美術助手:須江大輔 |
協力 | 鹿児島県 奄美群島 岡山県 津山市 |
製作協力 | 柴又新明会 |
ニュースフィルム提供 | サンテレビジョン |
CG技術協力 | (株)日立製作所 |
島唄 | 坪山豊 皆吉佐代子 元ちとせ |
主題歌 | 男はつらいよ |
挿入歌 | 徳永英明 |
観客動員数 | 1,700,000人(シリーズ歴代28位) ⇒「寅さんシリーズランキング」 |
同時上映 | 「サラリーマン専科」 |
啖呵売した商品 | 消火器 ⇒「寅さんが啖呵売した作品別全商品リスト」 |
受賞歴 | ・第9回日刊スポーツ映画大賞主演女優賞/浅丘ルリ子 ・全国興行環境衛生同業組合第14回ゴールデングロス賞優秀銀賞賞 |
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「男はつらいよ 寅次郎紅の花(第48作)」のロケ地情報
「男はつらいよ 寅次郎紅の花(第48作)」のロケ地「男はつらいよ 寅次郎紅の花(第48作)」作品のあらすじ
阪神大震災前に神戸からビスケットを送ってきた寅次郎の安否を心配するさくらたち。
ところが、『大震災その後 ボランティア元年』というテレビ番組で寅次郎がボランティア活動している光景が映り、安堵する。
一方、満男のほうにはかつての恋人・泉ちゃんが久しぶりに満男に会いにやってくるが、その理由はお見合いをした男性との結婚報告をするためだった。
ショックを受けた満男は家を飛び出してしまう。
しばらくして、岡山で泉ちゃんの結婚式が行われるが、その花嫁行列を妨害する車が現われる。
その車の運転手はなんと満男であった。
その後、泉ちゃんの結婚式は破談となってしまう。
そして、行き場のなくなった満男は一人さまよい、鹿児島県加計呂麻にたどり着く。
そこで満男を心配する一人の女性が現われ、満男を自宅まで連れて帰るが、その自宅にいたのはなんと満男の叔父の寅次郎であり、連れてきてくれた女性はリリーであった。
久しぶりに寅次郎に再会した満男はそこで失恋の傷を癒すことになる。
しばらくして、結婚式を破談にした理由を問いただそうと泉ちゃんが加計呂麻にやってくる。
一方、寅次郎はリリーを連れて、一度柴又へ帰るが、加計呂麻へ戻るリリーとの別れ際に信じられない行動に出る・・・。
「男はつらいよ 寅次郎紅の花(第48作)」作品のキャスト
- 車寅次郎:渥美清
- さくら:倍賞千恵子
- 満男:吉岡秀隆
- 竜造:下條正巳
- つね:三崎千恵子
- 博:前田吟
- 社長:太宰久雄
- 源公:佐藤蛾次郎
- ポンシュウ:関敬六
- 伸吉:笹野高史
- 泉:後藤久美子
- リリー:浅丘ルリ子
<サブキャスト>
犬塚弘/桜井センリ/神戸浩/宮川大助/宮川花子/笠井一彦/マキノ佐代子/北山雅康/鈴木美恵/平田京子/篠原靖治/前田淳/関谷次朗/渡部夏樹/光映子/川井みどり/田中世津子/田中邦衛/夏木マリ/千石規子/
寅さんのマドンナ:浅丘ルリ子
<役名:リリー>
寅次郎とリリーが紡いだ愛の物語4部作の第4作目として再登場。
25作以降に他の男性と結婚したが、三年後にその結婚相手が亡くなってしまう。
その遺産で奄美大島の加計呂麻に家を購入し、そこで一人で生活していたが、現在は金欠で居候する寅次郎を同居させている。
「男はつらいよ」シリーズの中で最も寅さんと相性が良かったと思われる女性。ラストのバス停でのシーンは、シリーズ最後となる49作「寅次郎紅の華」の締めとしても使われた。
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満男のマドンナ:後藤久美子
<役名:及川泉>
満男の高校時代の後輩で及川礼子(夏木マリ)の娘。父親は礼子と別居しており、泉は母親と共に生活している。満男とは学校の吹奏楽部に所属していた時に出会う。両親の都合によってかき乱される泉を満男が気にかけてあげることで親密度が増していく。48作目にしてやっと満男に愛の告白をされるが、二人は結婚までに至らず。50作では海外の男性と結婚してイズミ・ブルーナという名前に変わっている。
及川泉役として4回(第42作、第43作、第44作、第45作、第50作)マドンナを演じる。
満男の恋愛にシフトしていく「男はつらいよ」シリーズの最後のほうで登場する満男にとってのマドンナ。
「男はつらいよ 寅次郎紅の花(第48作)」作品の解説
寅次郎の最愛のマドンナ・リリーが約15年ぶりにマドンナ役で、そして満男の初恋の相手・泉も約2年ぶりに再登場する作品。
この作品は、寅次郎とリリー、満男と泉の二組のカップルのその後が描かれる。
この作品の公開翌年に渥美清が亡くなったことにより、この48作は寅さんシリーズの最後の作品となった。
山田監督が薄々この作品が最後になるだろうと予感しながら作っていたことだろう。
この作品を観るとストーリー展開や描写がシリーズ最終回となってもいいようにうまく作られているのがわかる。
寅さんシリーズの最後の締めくくりとして、絶対に見ておくべき作品だ。
50作へと繋がっていく!?満男と泉の恋物語の行方
泉が約2年ぶりに満男の元に会いに来る。
会いに来た理由は、自分が結婚する旨を伝えて満男の気持ちを確認するためだった。
しかし、その報告を受けてショックを受ける満男は、泉の気持ちを理解しないまま自分は振られてしまったんだと勝手な解釈をしてしまう。
そしてお互いの気持ちはすれ違ったまま、二人の人生は理想とは逆の方向に進んでいくことになる。
満男への伝え方を間違える泉と、泉の意図を理解するだけの器がない満男。
やはり、この二人が結ばれるにはまだまだ時間が必要なのだ。
そして、満男の間違った解釈は、泉の結婚式をぶち壊すという暴挙に出る。
満男の泉への強い想いがそうさせてしまったのだから仕方がない。
男としてじっと耐える選択もあっただろうが、満男は前作で寅次郎に言われた「燃えるような恋をしろ!大声出して!のた打ち回るような、恥ずかしくて、死んじゃいたいような恋をするんだよ!」という教えを実行したとも言える。
しかし、満男のこの思い切った暴挙が結果的に泉の結婚式をなかったものにし、再び泉への想いを伝える機会を与えてくれるのだ。
そういう意味では寅次郎の教えはやはり正しかったと言える。
そして、お互いの気持ちを確認し合った二人は結婚へ向かうという流れでこの作品の幕は下ろされる。
渥美清の体調によっては、高地ロケの次回作「寅次郎花へんろ」の企画があり、その作品では満男と泉が結婚するという展開が用意されていたらしいが、それが実現されることはなかった。
そして、この二人のその後は26年後に公開される50作「男はつらいよ お帰り 寅さん」で描かれることになる。
寅次郎とリリーの恋物語の最終章
このシリーズの幕を下ろすのにふさわしいマドンナはやはりリリーだった。
寅次郎とリリーの恋物語は過去に三回描かれてきており、特に15作、25作ではお互いの意地がぶつかってプロポーズに失敗する展開が続く。
誰もが相思相愛な二人の行く末を心配しながら見守っていたが、この48作目でとうとう寅次郎が動き出す。
加計呂麻に帰るリリーの乗ったタクシーになぜか一緒に乗り込む寅次郎。
その行動を問いただすリリーに寅次郎は真剣な表情で語り出す。
このセリフは鹿児島まで送るという寅さんの粋な愛情表現とも取れますが、少し回りくどいリリーへのプロポーズとも取れるもの。
寅さんの照れがこんな言い回しにさせたのかもしれない。
だが、25作の時の夢心地で言った「リリー、俺と所帯持つか・・・」とは違い、この時のセリフは寅次郎の覚悟が決まった言い方である。
寅次郎とリリーが48作目にしてやっと身を固める決心をした瞬間だった。
ところが、喜ぶのも束の間、お正月に届けられたリリーの手紙には、さっそく喧嘩別れした内容が記されていた。
やはり、フーテン気質が抜けない寅次郎らしい行動である。
またお決まりの展開だが、それでもなぜか清々しい気持ちにさせられるのは、リリーの手紙にある「でもいつか、またひょっこり帰ってきてくれるかもしれません」という文面のせいかもしれない。
いつしかリリーは自宅で寅さんの帰りを待つ女性に変わっているのだ。
映画で描かれることはなかったが、寅次郎はその後、何度か加計呂麻島にあるリリーの自宅に帰っていたのかもしれない。
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