この記事では、満男の学歴の矛盾点を挙げていこうと思います。
以前、以下のようなツイートをしました。
「男はつらいよ」に登場する満男は、実は小学校を8年間通い、高校は2年間しか通っていない。
■満男の学歴
17作目(1976年)・・・小学校入学
33作目(1984年)・・・中学校入学
38作目(1987年)・・・高校入学
41作目(1989年)・・・予備校生
43作目(1990年)・・・大学進学#寅さんの不思議 pic.twitter.com/NEnAb0twoe— くじゃくのまい (@kujakunomai) January 25, 2020
ツイッターの内容を見てもらえばわかると思いますが、作品の公開年数と満男の年齢を照らし合わせた時に、満男の学歴は小学校を8年間通い、高校は2年間しか通っていないことになっています。
寅さんの映画を普通に観ている人にはおそらく気が付かないことかと思います。
映画の中での時間とリアルな時間の流れが一致しているとは限らないのですが、一致していると仮定すると満男の学歴は明らかに矛盾しています。
今回は、その矛盾した満男の学歴を作品の公開年数と照らし合わせながら紹介していきたいと思います。
目次
小学校を8年間通い、高校は2年間しか通っていない満男の学歴
満男がどのような学歴を経てきたのかを作品ごとに整理してみると、以下のような感じになっています。
満男の学歴を作品ごとに分けてみると
- 14作目(1974年)・・・保育園入園(2年間)
- 17作目(1976年)・・・小学校入学(8年間)
- 33作目(1984年)・・・中学校入学(3年間)
- 38作目(1987年)・・・高校入学(2年間)
- 41作目(1989年)・・・予備校生(1年間)
- 43作目(1990年)・・・大学進学(4年間)
注目してほしいのが、小学校と高校の在学年数です。
作品の公開年と照らし合わせると、小学校8年間在籍、高校は2年間しか在籍していないことがわかると思います。
その他の在籍年数に関しては問題がないようです。
満男は、1994年に公開した47作「男はつらいよ 拝啓車寅次郎様」の時に社会人として働くようになっているので、しっかりと4年間大学に通っていたことになっています。
なので、大学の在学年数も合っていますね。
ちなみに、満男の実際の学歴は以下のようになってます。
満男の実際の学歴
・桜道中学校卒業
・南葛飾高校卒業
・城東大学経済学部経営学科卒業
満男の学歴を作品ごとに時系列で詳しく紹介
それでは、満男の学歴をもっと詳しく見ていきましょう。
保育園時代
満男が保育園に入園したのは14作「寅次郎子守唄」の時です。
さくらは、印刷機に手を巻き込まれてケガをした博の見舞いに行くために、おばちゃんに「1時になったら満男迎えに行ってね」と、保育園に行っている満男のことを頼んでいます。
それ以前の作品で満男が保育園に入園したという話は一切出てきていないので、14作目の時に保育園に入園したとみるのが妥当かと思います。
それから2年後の小学校に入学するまで、満男が保育園の制服を着て歩き回っている映像が何度か出てきます。
なので、4歳、5歳と2年保育だったのでしょう。
小学校時代(都立東柴又小学校在籍)
満男が小学校に入学したのは17作「寅次郎夕焼け小焼け」の時です。
この作品の冒頭から、満男が小学校に入学したという話題から始まっていくので明らかです。
その後、18作「寅次郎純情詩集」では家庭訪問、31作「旅と女と寅次郎」では運動会といった小学校行事も描かれます。
33作「夜霧にむせぶ寅次郎」で満男は中学校に入学しているので、そこまで計算すると8年間も小学校に通っていたことになります。
中学校時代(都立桜道中学校在籍)
満男が中学校に入学したのは33作「夜霧にむせぶ寅次郎」の時です。
冒頭で、さくらが御前様からもらった入学祝いのお礼をし、寅さんからも入学祝いとして小さな地球儀が送られてきます。
中学2年となった35作「寅次郎恋愛塾」では、将来について考え始めた満男が、父親である博に「なぜ印刷工になったのか?」と尋ねるシーンが出てきます。
そして、満男は中学2年生にして、すでに寅さんの生き方に憧れを持つようになってきており、
>35作「寅次郎恋愛塾」より
という発言から、36作「柴又より愛をこめて」では、
>36作「柴又より愛をこめて」より
と寅さんの生き方に共感するような発言をしています。
中学3年生となった37作「幸福の青い鳥」では、年明け早々、受験生でありながらガールフレンドと土手を歩くという余裕っぷりを見せつけてくれます。
そして、満男宛のラブレターに中学のバスケットボールの試合について書かれた箇所があるので、まだこの時点では中学生だということがわかります。
高校時代(都立南葛飾高校在籍)
満男が高校に進学したという話題は作品の中では一切出てきませんが、おそらく公開年で計算していくと38作「知床慕情」の時に満男は高校に進学したことになります。
この作品で、満男の大学進学に関する三者面談が行われており、間違いなく高校生になっていることは明らかです。
そして、その1年後に公開された40作「寅次郎サラダ記念日」では、満男が地方の大学に行きたがっていることや、早稲田大学に通うように寅さんから突然電話がかかってきたりするシーンもあります。
つまり、満男はもう大学受験のシーズンに差し掛かっているということがわかります。
確か、公開年で計算すると40作「寅次郎サラダ記念日」の時に満男は高校2年生のはずです。
そして、翌年に公開された41作「寅次郎心の旅路」で満男はすでに大学受験に失敗して浪人生になっています。
つまり、満男は高校を2年間しか通っていないということになります。
ちなみに、後に登場する満男のマドンナ・及川泉(後藤久美子)は、この時代に知り合っています。
予備校時代
41作「寅次郎心の旅路」では、博の口から満男が受験に失敗したことが語られます。
ちなみに、この時期から急に諏訪家の自宅がコロコロ変わるようになります。
実際に引越していたのかは謎ですが、家がコロコロ変わることと満男の受験失敗には何か因果関係があるのか・・・・まあ考えすぎですね。
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そして、42作「ぼくの伯父さん」では、予備校で授業を受ける満男の姿が映し出され、泉の叔父からは「浪人生なのにバイクで九州旅行をするくらいやけん、よっぽど頭がええんじゃろ」などとイヤミを言われたりしてました。
大学時代(城東大学経済学部経営学科在籍)
43作「寅次郎の休日」から満男は大学生となります。
ここから45作「寅次郎の青春」までは満男と泉のラブロマンスが展開されていきます。
そして、大学4年生となった46作「寅次郎の縁談」で、満男は就職活動に疲弊し、瀬戸内海に浮かぶ琴島へ逃亡しますが、ラストには再び就職活動に邁進していきます。
そして、翌年の47作「拝啓車寅次郎様」では、晴れて浅草にある「光陽商事」という靴会社に就職しました。
なので、大学はしっかりと4年間で卒業できたということなのでしょう。
まとめ
今回は、矛盾した満男の学歴を作品の公開年と照らし合わせながら紹介してみました。
映画の公開年数と物語の時間軸が必ずしも一致しているとは限りませんが、一致していると仮定した場合だと満男の学歴は矛盾しています。
考えてみると、寅さんの年齢自体も映画の公開年数と照らし合わせると必ずしも一致しているわけではないので、どうでもいいと言えばどうでもいい話です。