この記事では、寅さん映画シリーズの「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(第23作)」の作品の見どころを解説していきたいと思います。
目次
映画「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(第23作)」の予告編動画
映画「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(第23作)」の作品データ
公開日 | 1979年12月28日 |
上映時間 | 107分 |
マドンナ | 桃井かおり |
ゲスト | 湯原昌幸/布施明/木暮実千代 |
監督・原作 | 山田洋次 |
スタッフ | 製作:島津清 企画:高島幸夫/小林俊一 脚本:山田洋次/朝間義隆 撮影:高羽哲夫 美術:出川三男 音楽:山本直純 録音:中村寛 調音:松本隆司 照明:青木好文 編集:石井巌 スチール:長谷川宗平 監督助手:五十嵐敬司 装置:小島勝男 装飾:町田武 衣装:松竹衣装 現像:東京現像所 進行:玉生久宗 製作主任:峰順一 |
協力 | 柴又新明会 いすゞ自動車 ホテルニューオータニ |
主題歌 | 男はつらいよ |
観客動員数 | 1,726,000人(シリーズ27位) ⇒「寅さんシリーズランキング」 |
同時上映 | 「港町紳士録」 |
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映画「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(第23作)」のロケ地情報
「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(第23作)」のロケ地「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(第23作)」作品のあらすじ
久しぶりに帰省する寅次郎であったが、とらやの恥をさらすような満男の作文に物言いしたことで大ゲンカとなる。
居心地の悪くなった寅次郎は再び旅の空へ。
ある日、北海道を旅していた寅次郎は一人で旅する田園調布育ちのお嬢様・ひとみ(桃井かおり)と遭遇する。
ひとみがマリッジブルーにかかっていることを知った寅次郎は、ひとみが結婚できるようにうまく説得するが、ひとみは結婚当日に披露宴を抜け出し、寅次郎のいるとらやへ逃げ込んで来てしまう。
しばらくとらやの二階で生活するひとみであったが、突然、結婚相手だった男・邦男(布施明)がひとみに会いに来る。
一途に想ってくれる邦男の気持ちを知ったひとみは、もう一度寄りを戻して邦男と結婚することを決意する。
「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(第23作)」作品のキャスト
- 車寅次郎:渥美清
- さくら:倍賞千恵子
- ひとみ:桃井かおり
- 竜造:下條正巳
- つね:三崎千恵子
- 博:前田吟
- 社長:太宰久雄
- 源公:佐藤蛾次郎
- 満男:中村はやと
- 邦男:布施明
- 絹子:木暮実千代
<サブキャスト>
犬塚弘/桜井センリ/湯原昌幸/上条恒彦/久世竜之介/ナンシー・チェニー/東野利香/滝真奈美/斎藤美和/山本武/入江正德/益田愛子/たうみあきこ/戸川京子/入江正夫/加島潤/笠井一彦/羽生昭彦/木村賢治/篠原靖夫/村木誠/谷よしの/伊藤昌子/岡本茉利
マドンナ:桃井かおり
<役名:入江ひとみ>
田園調布に住むお嬢様。結婚が決まっていたが、マリッジブルーに陥り、一人北海道を旅行している最中に寅さんと知り合う。寅さんの教えを聞いて結婚することに決めるが、式の途中に逃亡してしまう。「とらや」に逃げ込んできたひとみは、しばらく「とらや」で落ち着いた生活を送っていたが、結婚相手の邦男(布施明)が少しずつひとみのもとに会いに来るようになる。そして、次第に二人のわだかまりが消えて、再び結婚式を挙げることになる。
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ゲスト:湯原昌幸
<役名:旅館の若旦那>
北海道支笏湖畔にある丸駒温泉旅館の若旦那。
ひとみ(桃井かおり)の車がガス欠で動けなくなったことを利用して、彼女にうまく近付く。
寅次郎とは支笏湖湖畔の美笛キャンプ場近くで、ひとみを襲おうとしている時に出会う。
それを寅次郎に目撃されたことによって、寅次郎にうまく利用される羽目になる。
ゲスト:布施明
<役名:小柳邦男>
父親が経営する会社を引き継ぐ御曹司。
ひとみと婚約をしていたが、当日の結婚式場でひとみに逃げられてしまう。
その後、父親が経営する会社を辞め、柴又にある工場で働くようになる。
ひとみへの想いが募り、時間をかけながら少しずつひとみとの関係を修復していく。
川千家で行われた結婚披露宴の時に、「止まり木(下村明彦)」をギター弾き語りで熱唱する。
ゲスト:木暮実千代
<役名:入江絹子>
田園調布に住むひとみの母親。
何の不自由もなく育ててきた娘に反抗されて戸惑う。
何度か衝突はするものの、次第に娘の考えを受け入れるようになっていく。
「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(第23作)」作品の解説
今作のマドンナは、形式で結婚することに疑問を持つ田園調布育ちのお嬢様。
そんなお嬢様が親の敷いたレールに反発しながら、自分にとっての本当の幸せを掴み取っていくまでの物語。
結婚式当日に逃亡されてしまった結婚相手・邦男(布施明)との壊れた関係が、どのように修復されていくのかが見どころの一つ。
そして、この作品では寅次郎がひとみの愛のキューピット役となり、なんと結婚式の仲人を務めてしまうという展開になる。
寅次郎がどんな仲人役を務めるのかも見どころになるだろう。
また、夏の北海道・支笏湖を舞台に繰り広げられる寅次郎と旅館の若旦那(湯原昌幸)とのミニコントのようなやり取りも痛快だ。
夢のシーン
柴又医学研究所で研究に没頭する車寅次郎博士(寅次郎)が、便秘薬の理論を解明する夢。
とらやが研究所になっており、2階が研究室になっている。
相当便秘が酷かったのか、最後には夢の中で便秘薬をもらう手ぶりをしている。
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翔んでるマドンナの成長物語
この作品のサブタイトル「翔んでる寅次郎」の”翔んでる”とは、1977年の流行語になった「翔んでる女」からきたものであろう。
翔んでる女とは、「自立を求める自由な女性」のことで、この作品に登場するマドンナ・ひとみもかなりの自由奔放な翔んでる女として描かれる。
まず、結婚披露宴の最中に嫌になって抜け出してしまうところ。
そして、北海道で初めて会った寅次郎を平気で車に乗せようとしてしまうし、結婚相手だった邦男の人生を自分のわがままで変えてしまったという認識も薄い。
今作のマドンナは、やや世間知らずのお嬢様であることは否めない。
なので、自立を求める女性というよりも少し過保護に育てられたお嬢様が、親に反発しながらやっと人並みの生き方ができるようになっていく物語だと言えるだろう。
「迷惑かけてんじゃない?」寅次郎と若旦那との面白コンビ
この作品のもうひとつの見どころとして、支笏湖で旅館を営む若旦那(湯原昌幸)と寅次郎との絡みがある。
ひとみを襲おうとした現場を寅次郎に目撃されたことで、若旦那は何日もタダで寅次郎を宿泊させる羽目になってしまうのだ。
今作での二人のパターン化した面白やり取りは以下。
寅次郎「あ、そう・・・警察はどっちかな?・・・昨日見た暴行未遂事件について署長に会って話そうと思って」
若旦那「一週間でも10日でもどうぞ」
寅次郎「あ、そう、悪いな・・・迷惑かけてんじゃない?」
若旦那「いいえ(汗)」
このターンを映画の中で何度か繰り返される。
本来、こんなやり方で寅次郎が宿泊代をタダにさせるようなことはしないだろうが、1つの笑いのネタとして観るならこれはこれでとても面白いシーンだ。
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