この記事では、寅さん映画シリーズの「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(第26作)」の作品の見どころを解説していきたいと思います。
目次
映画「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(第26作)」の予告編動画
映画「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(第26作)」の作品データ
公開日 | 1980年12月27日 |
上映時間 | 98分 |
マドンナ | 伊藤蘭 |
ゲスト | 松村達雄 |
監督・原作 | 山田洋次 |
スタッフ | 製作:島津清 製作補佐:佐生哲雄 企画:高島幸夫/小林俊一 脚本:山田洋次/朝間義隆 撮影:高羽哲夫 美術:出川三男 音楽:山本直純 録音:鈴木功 調音:松本隆司 照明:青木好文 編集:石井巌 スチール:長谷川宗平 監督助手:五十嵐敬司 装置:小島勝男 装飾:町田武 衣装:松竹衣装 現像:東京現像所 進行:玉生久宗 製作主任:峰順一 |
協力 | 北海道奥尻町/江差町 柴又新明会 |
主題歌 | 男はつらいよ |
観客動員数 | 1,889,000人(シリーズ20位) ⇒「寅さんシリーズランキング」 |
同時上映 | 「土佐の一本釣り」 |
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「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(第26作)」のロケ地情報
「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(第26作)」のロケ地「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(第26作)」作品のあらすじ
久しぶりに柴又に帰ってきた寅次郎は、さくらが一軒家を持ったことを知り、そのお祝いとして祝儀袋に二万円を入れて博とさくらに渡す。
ところが、あまりの大金に驚いた博とさくらはその金額を受け取れないと寅次郎に返したことで大ゲンカとなる。
気分を害した寅次郎は再び旅へと出て行ってしまう。
ある日、北海道の江差で売をしていた寅次郎はテキヤ仲間のシッピンの常が死んだことを知り、常の故郷である奥尻島へ墓参りに行く。
そこで、常の娘・すみれ(伊藤蘭)と出会う。
すみれが東京の夜学に通いたいという思いを知った寅次郎は、すみれを連れて柴又のとらやへと連れてくる。
父親代わりとしてすみれの面倒をすべて見ていた寅次郎であったが、すみれのかつての恋人という男が現われ、すみれはその男の部屋に泊まり、朝帰りしてしまう。
それを知って激怒した寅次郎はすみれの元から去っていく。
「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(第26作)」作品のキャスト
- 車寅次郎:渥美清
- さくら:倍賞千恵子
- すみれ:伊藤蘭
- 竜造:下條正巳
- つね:三崎千恵子
- 博:前田吟
- 社長:太宰久雄
- 満男:中村はやと
- 源公:佐藤蛾次郎
- 代官:吉田義夫
- 林先生:松村達雄
- 御前様:笠智衆
<サブキャスト>
関敬六/梅津栄/あき竹城/杉山とく子/林家珍平/伊藤敏孝/津嘉山正種/久世龍之介/小野泰次郎/高野浩幸/光石研/笠井一彦/羽生昭彦/木村賢治/篠原靖夫/遠藤正登/加島潤/高木信夫/田中美佐(田中美佐子)/酒井栄子/谷よしの/秩父晴子/後藤泰子/米倉斉加年/村田雄浩/園佳也子/
マドンナ:伊藤蘭
<役名:水島すみれ>
テキヤ仲間シッピンの常の一人娘。寅次郎が常の墓参りをするために北海道の奥尻へ行った時に出会う。いか加工場で働いていたが、寅次郎が東京出身であることを知り、すみれは東京の定時制高校に通いたいということを寅さんに伝える。しばらくして、東京に出てきたすみれは定時制高校に通い始めるが、函館時代にけんか別れしていた彼氏・貞男(村田雄浩)が東京に会いに来たことによって、すみれはその男と寄りを戻すことになる。
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ゲスト:松村達雄
<役名:林先生>
すみれが通う葛飾高校定時制の国語教師。
すみれが入学する時の試験や面接に携わり、入学後の授業も受け持つ。
かつての南葛飾高校定時制の林竹二先生がモデルになっていると言われており、のちの山田洋次監督作品「学校」シリーズを作るきっかけとなった登場人物である。
「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(第26作)」作品の解説
キャンディーズ解散後、女優として復帰を果たした伊藤蘭が寅さんのマドンナ・すみれ役として登場。
今作での寅次郎は、すみれを自分の娘のように慕う父親としての立場で描かれていく。
なので、もし寅次郎が結婚して自分の娘を持ったらどんな父親になるのか?を想像しながら観ると面白いかもしれない。
今回は、二代目おいちゃんを演じた松村達雄が、すみれの通う定時制高校の教師役として登場し、味のある演技で視聴者を魅了する。
この定時制高校のシーンは、1993年に公開される山田洋次監督の映画「学校」シリーズの構想の原点であると捉えられることが多い。
夢のシーン
大飢饉に見舞われた柴又村を通りかかった旅人(寅次郎)が、天狗の祟りを祓うために「娘を差し出せ!」と申し出る悪代官を成敗する夢。
定番の坂東鶴八郎、タコ社長、源公の悪役3人組がまた登場。
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寅次郎が父親の立場でマドンナと接する異色作
寅次郎がマドンナの父親代わりとして描かれる作品は何作かあったが、どこか恋愛感情の混じった中途半端な父親風の役がほとんどだった。
ところが、この作品での寅次郎は終始マドンナの父親としての立場を崩さなかったように思う。
すみれが、かつての恋人との朝帰りを知った時の寅次郎の怒りも、自分がフラれたという感情ではなく、自分の娘を他の男に取られたという父親目線での感情に近いものだった。
すみれとの別れ際に言った「幸せになれるんだろうな、お前」という強い口調も、寅次郎が父親としてすみれを見てきたからこその言い方だったに違いない。
寅次郎がここまでマドンナを父親目線で見ている作品は他にはないだろう。
この作品は、寅次郎が父親の立場でマドンナと接する異色の作品だったと言えるだろう
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