この記事では、寅さん映画シリーズの「男はつらいよ 旅と女と寅次郎(第31作)」の作品の見どころを解説していきたいと思います。
目次
映画「男はつらいよ 旅と女と寅次郎(第31作)」の予告編動画
映画「男はつらいよ 旅と女と寅次郎(第31作)」の作品データ
公開日 | 1983年8月6日 |
上映時間 | 101分 |
マドンナ | 都はるみ |
ゲスト | 藤岡琢也 |
監督・原作 | 山田洋次 |
スタッフ | 製作:島津清/佐生哲雄 企画:小林俊一 脚本:山田洋次/朝間義隆 撮影:高羽哲夫 美術:出川三男 音楽:山本直純 録音:鈴木功 調音:松本隆司 照明:青木好文 編集:石井巌 スチール:長谷川宗平 監督助手:五十嵐敬司 装置:小島勝男 装飾:町田武 衣装:松竹衣装 美粧:宮沢兼子 現像:東京現像所 進行:玉生久宗 製作主任:峰順一 |
協力 | 柴又新明会 日本生命 新潟県 |
主題歌 | 男はつらいよ |
観客動員数 | 1,511,000人(シリーズ歴代30位) ⇒「寅さんシリーズランキング」 |
同時上映 | 「いとしのラハイナ」 |
啖呵売した商品 | コンパクト、セカンドバッグ ⇒「寅さんが啖呵売した作品別全商品リスト」 |
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「男はつらいよ 旅と女と寅次郎(第31作)」のロケ地情報
「男はつらいよ 旅と女と寅次郎(第31作)」のロケ地「男はつらいよ 旅と女と寅次郎(第31作)」作品のあらすじ
久しぶりにとらやに帰省した寅次郎は、満男の小学校の運動会に行けなくなった博の代わりに自分が行ってやると勝手に決めてしまう。
ところが、寅次郎の運動会の応援の仕方を見てしまったとらやの人たちは猛反対し、誰も出席しないという形にしてしまう。
それに気分をがした寅次郎は翌朝、旅へ出て行ってしまう。
ある日、新潟を旅していた寅次郎は佐渡に向かう船で失踪中の演歌歌手・京はるみ(都はるみ)と出会う。
いつしかはるみが有名な演歌歌手であることに気付いてしまう寅次郎であったが、あえてそれに触れずに旅を続けようとしていた。
ところが、はるみを追いかけてきた芸能プロダクションの社長に見つかってしまったはるみは、寅次郎にエメラルドの指輪を残し、芸能界に戻るために寅次郎と別れていく。
しばらくして、柴又のとらやに戻っていた寅次郎の元に京はるみが突然、訪問してくる。
「男はつらいよ 旅と女と寅次郎(第31作)」作品のキャスト
- 車寅次郎:渥美清
- さくら:倍賞千恵子
- 竜造:下條正巳
- つね:三崎千恵子
- 博:前田吟
- 社長:太宰久雄
- 源公:佐藤蛾次郎
- 満男:吉岡秀隆
- 御前様:笠智衆
- 久子:中北千枝子
- 北村:藤岡琢也
- 京はるみ:都はるみ
<サブキャスト>
北林谷栄/桜井センリ/ベンガル/木ノ葉のこ/佐山俊二/山谷初男/梅津栄/内藤安彦/石田英二/人見明/関敬六/マキノ佐代子/梓しのぶ/石井富子/谷よしの/川井みどり/篠原靖治/笠井一彦/丸谷小一郎/細川たかし
マドンナ:都はるみ
<役名:京はるみ>
人気演歌歌手。タレント業と私生活の両立に悩み、新潟公演を前に突然失踪してしまう。寅さんとは失踪先の新潟で出会う。人気演歌歌手であることを知りつつも、知らないフリで接してくれる寅さんに優しさを感じるはるみであったが、失踪先でプロダクション社長に見つかってしまったことにより寅さんとの楽しい旅は終止符を打つことになる。
しばらくして、気持ちの整理の着いたはるみは「とらや」を訪問し、今まで隠していた彼の存在を寅さんに明かしてしまう。
ちなみに、この作品の役名「京はるみ」は、デビュー前の都はるみ自身に付けられた芸名でもある。
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ゲスト:藤岡琢也
<役名:北村社長>
京はるみが所属する芸能プロダクションの社長。
はるみの失踪がバレないようにあの手この手で誤魔化そうとするが、お調子者の性格のために報道陣に余計に怪しまれてしまう。
「男はつらいよ 旅と女と寅次郎(第31作)」作品の解説
当時、都はるみの大ファンだった渥美清からの強いオファーがあって実現した作品と言われている。
この作品は、有名な演歌歌手・京はるみと、それを知らずに出会った寅次郎とのほんのひと時の恋を描いた物語である。
有名人と一般人がお互いの立場を明かさずに付き合う感覚を味わえる作品と言える。
まさにグレゴリー・ペックとオードリー・ヘプバーンの「ローマの休日」に似た設定で物語が進んでいく。
作中では今作のマドンナ・都はるみの歌声を堪能できるシーンがたくさん用意されてあるのも、この作品の魅力と言えるだろう。
特に、都はるみと渥美清がアカペラでデュエットする「矢切の渡し」は必見もの。
夢のシーン
一揆の首謀者・寅吉(寅次郎)が、久しぶりに実家に戻り、おさく(さくら)の亭主で岡っ引のひろ吉(博)にお縄をかけられる夢。
完全な舞台劇となっている。
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演歌歌手・京はるみと一般人・寅次郎の二人きりの逃避行
この作品の見どころは、有名な演歌歌手・京はるみと一般人である寅次郎がお互いの素性を知らないまま出会い、素性を明かさないまま旅を続けていくところである。
もちろん、はるみが有名な演歌歌手であることに寅次郎は気付くが、それをあえて言わずにはるみの逃避行に付き合うのだ。
はるみは寅次郎の常識離れした人生に触れて、今まで自分が歩んできた歌手人生を客観視し、以下のような本音を漏らす。
寅次郎「おう、風の吹くまま気の向くまま好きなところへ旅してんのよ、まあ銭にならねえのがたまに傷だけどな」
はるみ「そんな人生もあるのね・・・明日は何をするか、明日にならなきゃ決まらないなんて・・・いいだろうな」
この時はるみは自分の歩んできた人生、または今まで悩んでいたすべてのことが、いかに小さな枠の中でのことだったのかということに気付かされるのだ。
そして、はるみは寅次郎を通して少しずつ自分を取り戻し、また華やかな歌手人生に戻っていくことになるのだ。
人間それぞれが持つ因果と宿命
この作品は有名な演歌歌手・京はるみという登場人物を通して、人間がそれぞれに持っている因果と宿命について描いていたように思う。
つまり、人間はそれぞれ、他人には知りえない悩みや問題を抱えながら生きているということである。
はるみは寅次郎の人生を羨ましそうに見ていたが、寅次郎にとっては寅次郎にしかわからない悩みや問題を抱えて生きているのだ。
それは、はるみの立場に立っても同じことが言える。
寅次郎は、はるみと共に旅をしながら、はるみにしかわからない演歌歌手の苦悩をまじかで見て体感している。
とらやに来て歌うはるみの後ろ姿を見ながら、寅次郎は一体どんな思いを巡らせていたのだろうか?
これを理解しながら寅次郎のあの表情を見てみると、寅次郎の感情が少しだけ読み取れるような気はしないだろうか?
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