この記事では、映画「男はつらいよ」に登場する諏訪博(ひろし)のプロフィールと略歴などを紹介していきます。
博(ひろし)とは、寅さんの妹・さくらの旦那、そして満男の父親でもあり、タコ社長の印刷会社で働く印刷工です。
兄を心配するさくらと共に柴又に定住し、毎回帰郷してくる寅さんを優しく迎え入れてくれます。
今回は、映画「男はつらいよ」に登場する博(ひろし)という人物について、より深く掘り下げて紹介していこうと思います。
諏訪博(ひろし)のプロフィール
- 名前:諏訪博(すわひろし)
- 生年月日:昭和18~20年頃(?)
- 出身地:北海道(岡山県という説もあり)
- 学歴:中卒(高校中退)
- 職業:印刷工(朝日印刷の主任技師)
- 好きな食べ物:焼きナス
諏訪博(ひろし)の名前
博の名前は、諏訪博(すわひろし)。
諏訪博(ひろし)の生年月日
博の生年月日が作品の中ではっきりとは出てきませんが、おそらく昭和18~20年頃であると推測できます。
推測に至ったポイントは、以下の部分です。
さくらの生まれ年が、およそ昭和17年~18年であることを考えると、もしかしたら博のほうが1つくらい年下である可能性も考えられます。
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諏訪博(ひろし)の出身地と学歴
博が生まれたのは、おそらく北海道です。
博の父親の実家は岡山県高梁にありますが、北海道の大学で教授をしていた経歴があり、おそらく博はその時に生まれた可能性が高いです。
博は父親とケンカをして家を飛び出すまでは北海道に住んでいて、その後、単身で東京へ移り住んたということになります。
博の学歴は中卒。
博は不良であったため、高校入学後に学校の成績が急に下がったと自白しています(第35作)。
それが直接の原因になったかどうかはわかりませんが、途中で高校を退学しています。
諏訪博(ひろし)の職業
博の職業は、小さな印刷会社で働く印刷工。
一応、会社では主任技師ということになっています。(第1作)
第35作「男はつらいよ 寅次郎恋愛塾」では、高校中退後に上京した後、タコ社長が経営する印刷会社で働くようになるまで、いろんな職業を転々としていたことを告白しています。
実は、博には上京してから朝日印刷で働くようになるまでの空白の5年間が存在します。
博が上京したのが昭和36年で、新宿でタコ社長に拾われて印刷会社で働くようになったのが昭和41年。
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その空白の5年間の間にいろんな職業を転々としていたということなのでしょう。
その後、タコ社長の経営する印刷会社で働くようになるのですが、そこでも博の独立問題が起きたり、経営理念でタコ社長ともめることなどはあったものの、シリーズ48作を通して、博はずっと朝日印刷一筋で働き続けることになります。
諏訪博(ひろし)が生まれ育った諏訪家の家族構成(父、母、兄弟)
4人の兄弟がおり、その中でも博は三男の末っ子。
- 父:諏訪飇一郎(志村喬)
- 母:???
- 長男:毅(梅野泰靖)
- 次男:修(穂積隆信)
- 長女:信子(八木昌子)
- 三男:博(前田吟)
父親は、北海道の大学教授(北海大学農学部名誉教授)という肩書を持っており、厳格な家庭環境の中で博は育ったことがうかがい知れます。
それは、母の葬式(第8作)、父の三回忌(第32作)で集まった時の家族、兄弟の高尚な会話を聞いているだけでも、一般的な家庭との隔たりを感じずにはいられません。
ちなみに、博の母親は昭和46年(第8作)の時に亡くなり、父親も昭和56年に亡くなります。
諏訪博(ひろし)は、なぜこんな高尚な家庭環境で育ったのにグレてしまったのか?
博は、なぜこんな高尚な家庭環境に生まれ育ったにも関わらず、グレて高校を退学してしまうことになるのか?
それは、権威主義である父、そして利己主義的な考え方を持つ兄たちへの反発心からだったのかもしれません。
それがわかるのが、第8作「男はつらいよ 寅次郎恋歌」での母の葬式で集まった時の会話です。
本当は華やかな人生を送りたかったという母の本音を知っていた博は、「あれは、欲望の少ない女だったな」と言い切る父と、「母さんは幸せだった」という兄たちのセリフを聞いて、こんなことを口走ります。
このセリフには、家庭を顧みず、権威主義で生きてきた父親に対しての嫌悪感が色濃く出ているように感じます。
そして、「大学にも進まないで生意気言うのはよせ!」という次男のセリフに対しては、こんな言葉で言い返しています。
このセリフには、兄たちの”学歴がすべてだ”というものの考え方に強く反発しているのがうかがえます。
つまり博は、そんな窮屈な家庭環境から早く抜け出して、自由になりたかったのかもしれません。
諏訪博(ひろし)の家族構成
博は、上京後にさくらと出会い、結婚します。(第1話)
そして、一人息子の満男が誕生します。
- 父:博(前田吟)
- 母:さくら(倍賞千恵子)
- 長男:満男(中村はやと、沖田康浩、吉岡秀隆)
第42作「男はつらいよ ぼくの伯父さん」からは、大学受験を目指す満男にスポットライトが浴びるようになり、そこからの博は父親としての苦悩が描かれていくことになります。
博(ひろし)の性格や人柄
真面目な性格で、正義感が強く、人となりのいい誠実な人柄。
真面目な性格というのは、タコ社長が経営する朝日印刷の印刷工として、わき目も触れずにずっと働き続けているところからも読み取れます。
しかし、間違ったことに対しては自分の主張を押し通そうとする頑固な一面もあり、たとえ自分より上の立場の人間であろうと、自分の意見をはっきり述べようとしてもめることもしばしばあります。
それは、「大学出のサラリーマンでなければ、さくらを嫁にやらない」という寅さんの主張(第1作)や、満男の三者面談で出しゃばる寅さんの態度(第18作)に腹を立て、実際に口論にまで発展しています。
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車寅次郎(寅さん)のプロフィールと生い立ち-男はつらいよシリーズの登場人物紹介
博は腕っぷしも相当強く、第3作「男はつらいよ フーテンの寅」では、寅さんを背負い投げで投げ飛ばすシーンもあります。
そして、博は高校中退という学歴であっても、物事を理論的に考えられる思考力と広い学識をも持っています。
これはやはり、大学教授である父親のDNAを引き継いでいるからなのでしょう。
博はよく、寅さんが発した”ことわざ”の間違いに気づき、訂正するシーンがよくあります。
そして、とらやの茶の間の会話でも、博は哲学的な視点から物事を捉えたり、文学的な表現で返すシーンが結構あります。
例えば、第10作「男はつらいよ 寅次郎夢枕」で、恋は下等な人間がするもので、上等な人間は恋をしないという会話の中で、博は以下のような文学的な表現で返してきます。
そして、第11作「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」で、中流階級の人間はカラーテレビとかステレオを持っていないとダメだという会話の中で、博は以下のような哲学的な視点から答えを返してきます。
そして、教育に対してもしっかりとした考え方を持っています。
例えば、第35作「男はつらいよ 寅次郎夢枕」で、満男の教育問題で、「世の中に出たら学校の勉強はどうせ役に立たない、好きなことをやらせればいい」というおいちゃんとおばちゃんの発言を聞いて、博は以下のようなセリフを口にします。
高校を退学した博だからこそ、自分の経験から学んだリアルな思いを語っているのかもしれません。
まさに博は、世の中の見本となる父親といった人物と言えるでしょう。
諏訪博(ひろし)の略歴
博のセリフや行動から、シリーズ中で博の周りで起きた出来事を簡単にまとめてみます。
昭和18~20年頃 | ・北海道で生まれる |
---|---|
昭和36年 | ・グレて高校を退学となり、父親とケンカし上京する (ネタ元:第1作「男はつらいよ」) |
昭和41年 | ・新宿でグレている時にタコ社長に拾われて共栄印刷(のちの朝日印刷)で働き始める (ネタ元:第6作「男はつらいよ 純情篇」) |
昭和44年 | ・さくらと結婚する(第1作) |
昭和46年 | ・朝日印刷から独立しようと決意するが断念(第6作) ・母が亡くなる(第8作) |
昭和49年 | ・印刷の機械に袖を巻き込んでケガをする(第14作) |
昭和55年 | ・一軒家を購入(第26作) |
昭和56年 | ・父(飇一郎)が亡くなる |
昭和58年 | ・父(飇一郎)の三回忌法要(第32作) ・父の遺産を朝日印刷の設備投資に使う |
まとめ
この記事では、映画「男はつらいよ」に登場する博(ひろし)について紹介してみました。
諏訪博(ひろし)を演じた前田吟のプロフィール■主な出演作品
・テレビドラマ
『高原へいらっしゃい』
『積木くずし』<1983年版>
『春日局』
『渡る世間は鬼ばかり』
『功名が辻』
『マッサン』
・映画
『男はつらいよ』シリーズ