この記事では、寅さん映画シリーズの「男はつらいよ 寅次郎の告白(第44作)」の作品の見どころを解説していきたいと思います。
目次
映画「男はつらいよ 寅次郎の告白(第44作)」の予告編動画
映画「男はつらいよ 寅次郎の告白(第44作)」の作品データ
公開日 | 1991年12月23日 |
上映時間 | 104分 |
マドンナ | 吉田日出子/後藤久美子 |
ゲスト | - |
監督 | 山田洋次 |
原作 | 山田洋次 |
スタッフ | 総指揮:奥山和由 製作:内藤誠 プロデューサー:深澤宏 企画:小林俊一 脚本:山田洋次/朝間義隆 撮影:高羽哲夫/花田三史 音楽:山本直純 美術:出川三男 照明:青木好文 編集:石井巌 録音:鈴木功 調音:松本隆司 スチール:金田正 進行:副田稔 製作担当:峰順一 装置:森篤信 装飾:露木幸次 美粧:宮沢兼子 衣装:松竹衣装 現像:東京現像所 監督助手:阿部勉 撮影助手:池谷秀行 録音助手:原田真一 照明助手:藤田繁夫 編集助手:渡辺松男 美術助手:菅沼史子 ステディカムオペレーター:佐光朗 |
協力 | 鳥取県 鳥取市 |
製作協力 | 柴又新明会 岐阜県蛭川村 大船撮影所 |
主題歌 | 男はつらいよ |
観客動員数 | 2,100,000人(シリーズ歴代9位) ⇒「寅さんシリーズランキング」 |
同時上映 | 「釣りバカ日誌4」 |
啖呵売した商品 | 電気スタンド、健康サンダル ⇒「寅さんが啖呵売した作品別全商品リスト」 |
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「男はつらいよ 寅次郎の告白(第44作)」のロケ地情報
「男はつらいよ 寅次郎の告白(第44作)」のロケ地「男はつらいよ 寅次郎の告白(第44作)」作品のあらすじ
高校三年生になった泉(後藤久美子)は東京に就職するための面接をしに上京してくる。
就職先の面接に満男も付き添うが、高卒での採用試験は認められないと言われてしまい、泉は仕方なく名古屋へと帰っていく。
ところが、名古屋へ帰っていった泉に待ち構えていたのは、就職先の問題だけでなく母親・礼子(夏木マリ)の再婚問題であった。
見知らぬ男を連れ込む礼子に嫌悪感を抱いた泉は家を飛び出してしまう。
しばらくして、鳥取から送られてきた泉のハガキが満男宛に届けられる。
不穏な雰囲気を感じ取った満男は感情の赴くままに鳥取へと向かってしまう。
一方、行く当てもなく、不安な思いで鳥取を歩く泉は、たまたま商売に来ていた寅次郎と偶然出くわす。
泉の抱えている問題や悩みをさくらから聞き出した寅次郎は泉を慰める。
満男が鳥取砂丘で待っていることを知った泉は翌日、鳥取砂丘に向かい満男と合流する。
その晩、寅次郎の昔なじみの女性・聖子(吉田日出子)の料亭に泊まることになる三人であったが・・・
「男はつらいよ 寅次郎の告白(第44作)」作品のキャスト
- 車寅次郎:渥美清
- さくら:倍賞千恵子
- 礼子:夏木マリ
- 聖子:吉田日出子
- 竜造:下條正巳
- つね:三崎千恵子
- 博:前田吟
- 社長:太宰久雄
- 源公:佐藤蛾次郎
- 御前様:笠智衆
- 満男:吉岡秀隆
- 及川泉:後藤久美子
<サブキャスト>
津嘉山正種/笹野高史/武野功雄/山口良一/杉山とく子/関敬六/笠井一彦/マキノ佐代子/北山雅康/渡部夏樹/松岡章夫/花井直孝/長谷川裕/川井みどり/篠原靖治/
寅さんのマドンナ:吉田日出子
<役名:聖子>
過去に寅さんが結婚まで考えた鳥取の料亭で働く女性。三角関係になった末、寅さんを選ばず二枚目の板前男と結婚するが、その男は1年前に鉄砲水に流され亡くなってしまう。満男と泉が鳥取に来た時に立ち寄った聖子が働く料亭で寅さんと再会する。久しぶりに再会した二人の関係は盛り上がるが、満男のヘマによって二人の関係に水を差す結果となる。
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満男のマドンナ:後藤久美子
<役名:及川泉>
満男の高校時代の後輩で及川礼子(夏木マリ)の娘。父親は礼子と別居しており、泉は母親と共に生活している。満男とは学校の吹奏楽部に所属していた時に出会う。両親の都合によってかき乱される泉を満男が気にかけてあげることで親密度が増していく。48作目にしてやっと満男に愛の告白をされるが、二人は結婚までに至らず。50作では海外の男性と結婚してイズミ・ブルーナという名前に変わっている。
及川泉役として4回(第42作、第43作、第44作、第45作、第50作)マドンナを演じる。
満男の恋愛にシフトしていく「男はつらいよ」シリーズの最後のほうで登場する満男にとってのマドンナ。
「男はつらいよ 寅次郎の告白(第44作)」作品の解説
泉と満男の恋愛物語の第3弾となる作品。
今作は泉の就職、そして母親の再婚問題で悩む泉を寅次郎と満男がしっかりと受け止めて、前向きにさせていく物語である。
相変らず泉と満男の恋のエピソードが物足りない印象を受けるが、満男が泉の手を自然に握れる関係になれたことが今作の救い。
一方、寅次郎のマドンナとして登場してくるのが、過去に三角関係の末に寅次郎を振って別の男と結婚してしまった料亭の女将。
過去の寅次郎との訳ありな関係が暴かれるのが興味深い。
山田洋次監督の黄色いハンカチを使った粋な演出
家出した泉が母親・礼子の元へ帰っていく列車の中で、汚れた手を拭こうと黄色いハンカチをカバンから取り出す。
ふと満男が黄色いハンカチを持った泉の手に自分の手を乗せる。
今まで一人ぼっちだと思っていた泉が満男や寅次郎の優しさに触れて、決して自分は一人ぼっちなんかではなかったのだということに気付き始める。
そして泉は今までしてくれた満男の優しさに応えるように差し出した手を握り返すのだ。
このシーンはまさに泉が満男の愛に気付いた瞬間だったと言えよう。
そこで使われたのが、この黄色いハンカチだった。
黄色いハンカチと言えば、山田洋次監督が登場人物たちの愛を確かめる道具として過去の映画作品の中でよく使われていたもの。
「幸福の黄色いハンカチ」や「遙かなる山の呼び声」の作品の中でも、黄色いハンカチを使って登場人物たちが愛を確かめ合うシーンがあった。
このシーンで泉に黄色いハンカチを使わせたのも山田洋次監督の粋な演出だったのだと思う。
マドンナ・聖子が明かす寅次郎の過去の泥沼恋愛
この作品で登場するマドンナ・聖子(吉田日出子)によって、寅次郎の過去の泥沼恋愛が暴露される。
約10年前に聖子に惚れた寅次郎は結婚を考える。
ところが、寅次郎の前に口数の少ない板前の男が突然現れ、聖子を奪って結婚してしまう。
その後、寅次郎は聖子に会うたびに「亭主はまだ生きてるのか?」という皮肉まじりのセリフを言うのが口癖となる。
しかし、聖子と結婚したその男は浮気性で、10年間の結婚生活は泣かせ続けられた日々だったと聖子から告げられるのだ。
シリーズ中に寅さんの前に現れた男がマドンナをさらって結婚してしまうパターンは多かったが、結婚後にこんな悲惨な結婚生活を送るマドンナはいなかった。(描かれていないだけかもしれないが)
この作品の10年前と言えば、寅次郎はおふみ(松坂慶子)や光枝(音無美紀子)とも恋愛をしていた。
それを考えると、寅次郎の恋愛遍歴もやはりすごいものだったのだと感心してしまう。
ところで、このシーンで聖子と寅次郎のいい雰囲気をぶち壊したのは満男だったが、実際に寅次郎はこの時どんな気持ちだったのだろうか?
「邪魔された!」or「助かった・・・」
これは、それぞれの視聴者が勝手な解釈で妄想するしかない。
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