この記事では、寅さん映画シリーズの「男はつらいよ 寅次郎忘れな草(第11作)」の作品の見どころを解説していきたいと思います。
目次
映画「男はつらいよ 寅次郎忘れな草(第11作)」の予告編動画
映画「男はつらいよ 寅次郎忘れな草(第11作)」の作品データ
公開日 | 1973年8月4日 |
収録時間 | 99分 |
マドンナ | 浅丘ルリ子 |
ゲスト | 織本順吉/毒蝮三太夫 |
監督・原作 | 山田洋次 |
スタッフ | 製作:島津清 企画:高島幸夫/小林俊一 脚本:山田洋次/宮崎晃/朝間義隆 撮影:高羽哲夫 美術:佐藤公信 音楽:山本直純 録音:中村寛 調音:松本隆司 照明:青木好文 編集:石井巌 監督助手:五十嵐敬司 装置:小野里良 装飾:町田武 進行:玉生久宗 衣装:松竹衣装 現像:東京現像所 製作主任:池田義徳 |
協力 | 柴又新明会 |
主題歌 | 男はつらいよ |
観客動員数 | 2,395,000人(シリーズ2位) ⇒「寅さんシリーズランキング」 |
同時上映 | 「チョットだけヨ 全員集合!!」 |
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映画「男はつらいよ 寅次郎忘れな草(第11作)」のロケ地情報
「男はつらいよ 寅次郎忘れな草(第11作)」のロケ地「男はつらいよ 寅次郎忘れな草(第11作)」作品のあらすじ
寅次郎の父・車平造の27回忌法要の最中にたまたま帰ってきた寅次郎。
久しぶりに父親の法事に参加する寅次郎であったが、不真面目な態度をとって法事をメチャクチャにしてしまう。
ある日、ピアノが欲しくても買えないさくらの様子を気に掛けた寅次郎は、オモチャのピアノを買って、さくらにプレゼントする。
しかし、本物のピアノが欲しかったことに気付いた寅次郎は、オモチャのピアノを買って上機嫌になっている自分が恥ずかしくなり、さくらと博に嫌味を言ってケンカ別れしてしまう。
しばらくして、北海道を旅する寅次郎は日本中を旅しながら歌う歌手・リリー(浅丘ルリ子)と出会い、意気投合する。
”あぶく”のような自分の人生にわびしさを感じた寅次郎は、北海道の酪農家・栗原久宗(織本順吉)の元で働き始めるが、3日でダウンしてしまい、迎えに来たさくらと共に柴又へ帰っていく。
しばらく「とらや」で療養していた寅次郎は、東京に戻っていたリリーと偶然に再会する。
同じ境遇の二人は、お互いを認め合いながら、少しずつ深い仲になっていく。
ところが、ある夜、酔ったリリーが「とらや」を突然訪れてきて、寅次郎に愚痴をこぼしたまま出て行ってしまう。
リリーの深い孤独の闇を知った寅次郎であったが、何もすることができず、そのまま柴又をあとにする。
「男はつらいよ 寅次郎忘れな草(第11作)」作品のキャスト
- 車寅次郎:渥美清
- さくら:倍賞千恵子
- 博:前田吟
- つね:三崎千恵子
- 源公:佐藤蛾次郎
- 社長:太宰久雄
- 竜造:松村達雄
- 御前様:笠智衆
- リリー:浅丘ルリ子
<サブキャスト>
吉田義夫/織本順吉/毒蝮三太夫/利根はる恵/中村はやと/江戸家小猫/北原ひろみ/成田みるえ/中沢敦子/江藤孝/羽生昭彦/長谷川英敏/木村賢治/高木信夫/村上記代/村井洋
マドンナ:浅丘ルリ子
<役名:リリー>
全国を旅しながら歌う、さすらいの歌手。
実の母親は健在だが、幼少の頃から親子関係はうまくいっておらず、ほぼ天涯孤独な人生を歩んでいる。
寅次郎とは北海道網走の波止場で出会い、同じフーテン暮らしという境遇から意気投合する。
今まで心から男に惚れたことが一度もなく、一生のうち一人の男に死ぬほど惚れてみたいと思っている。
⇒リリー(浅丘ルリ子)の人物紹介-「男はつらいよ」に登場するマドンナ この記事では、映画「男はつらいよ」で最も多くマドンナ役で登場したリリーの人物像に迫っていきたいと思います。 「男はつらいよ」シリーズを語る上で、このリリーというマドンナの存在を無視することはできません ...
リリー(浅丘ルリ子)の人物紹介-「男はつらいよ」に登場するマドンナ
寅次郎とリリーが紡いだ愛の物語4部作の第1作目の作品で、リリーがシリーズ初登場となる。
若い頃からフーテン暮らしを送っていた寅次郎と似た境遇の女性であり、はじめて寅次郎とケンカができるマドンナである。
寅次郎とリリーの物語はシリーズ屈指の名シーンをたくさん生み出しており、この作品では二人が初めて遭遇する瞬間が描かれる。
→「「男はつらいよ」に登場した寅さんの歴代マドンナ47人を徹底ガイド」 この記事では、「男はつらいよ」シリーズに登場した寅さんと満男の歴代マドンナを詳しく紹介していきたいと思います。 「男はつらいよ」全49作に登場したマドンナは47名にものぼり、寅さん映画の華を飾ってくれ ...
「男はつらいよ」に登場した寅さんの歴代マドンナ47人の紹介と演じた女優さん徹底ガイド
ゲスト:織本順吉
<役名:栗原久宗>
まともな生活を送るために寅次郎が職安から紹介された酪農家のオーナー。
妻と一人娘の三人で生活している。
働き始めて三日目で倒れてしまった寅次郎を手厚く看病してくれる。
北海道で酪農を営む、親切で人がいい父親役を好演。
織本順吉はヤクザ映画の出演が多く、深作欣二監督作品に最も多く出演した俳優でもある。
ゲスト:毒蝮三太夫
<役名:石田良吉>
リリーの初めての結婚相手となった、「清寿司」の主人。
再びリリーが登場する15作目の時には、離婚をしている。
「男はつらいよ 寅次郎忘れな草(第11作)」作品の解説
寅次郎とマドンナ・リリーの物語はシリーズ中に4作品制作されており、今作が記念すべき第1弾目の作品となる。
この作品では、寅次郎が北海道の網走でリリーと出会い、意気投合し、失意のうちに別れていくまでが描かれる。
まともな生活を送るために酪農家で働く寅次郎のシーンが描かれてはいるが、物語のメインとなるのは同じ境遇として知り合った寅次郎とリリーの切ない恋物語である。
この作品の特徴的なのは、マドンナ・リリーの強烈な孤独が描かれているところ。
マドンナとの別れ方も特殊なパターンとなっており、マドンナを受け止めきれなかった寅次郎が結果的にマドンナを追い出してしまう展開となる。
そして、酔った女性の扱いに慣れた寅次郎の一面も見ることができる。
また、大自然に囲まれた雄大な北海道の風景を堪能できるのもこの作品の見どころかもしれない。
夢のシーン
旅ガラスの剣豪・寅次郎が、おさく(さくら)とひろ吉(博)から借金取りを追い払う夢。
時代劇風な夢。
おさく(さくら)とひろ吉(博)という設定が初めてできあがった夢でもある。
→男はつらいよシリーズ全夢のシーン紹介ページ この記事では、映画「男はつらいよ」のオープニングで流れる寅さんの夢のシーンをすべてまとめてみました。 シリーズ全49作中、夢のシーンが含まれるのは全部で34作品。 人が眠っている時に見る夢というのは、 ...
映画「男はつらいよ」オープニングの寅さんの夢のシーン全まとめ
女性の扱いを心得ている寅次郎の一面がのぞける
この作品での寅次郎は、なぜか男らしく見えてしまう。
マドンナに憧れのまなざしを向けて有頂天となる、今までの寅次郎とは少し違って見えるのだ。
おそらく、気持ちをストレートに伝えてくるマドンナ・リリーが寅次郎をそんな風にさせているのかもしれない。
印象的なシーンは、酔ったリリーを寅次郎が優しくとらやへ迎え入れるシーンだ。
酔ったリリーが「とらや」を訪れてきた時の寅次郎の対応は、女性の扱いを心得ており、こういう状況を何度も経験してきたかのように見えてくる。
「とらや」の玄関先で聞こえるリリーの声を確認した寅次郎は、スーと起き上がってリリーの元へと向い、理由を聞かずに優しく「とらや」へ迎へ入れる。
そして、酔って愚痴をこぼすリリーのそばで、静かに話を聞いてあげようとするのだ。
寅次郎は実は女性経験の豊富な男なのではないかと思えてくる。
フラれまくっているだけの男が、こんな神対応は到底できるものではない。
酸いも甘いも知り尽くした男だからこそできる神対応なのである。
寅次郎は柴又へ戻ってくる20年間、実は女性にモテまくって生きてきたのではないだろうか?
ふと、そんな想像が膨らでくるシーンだ。
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